徒然。

備忘録

Call me by your name 感想文

1年以上下書きに放置してたやつなのですがそのまま追記して載せちゃう…
原作読んでから、と思って映画見てからちょっと置いてたんですけど、やっぱり原作ちょいちょい違うのと、世界史詳しくないのと西欧の芸術にも疎いのでなかなか難しくて…
最近映画のDVD見たのでいい機会だから公開にしました。




めちゃくちゃ泣きました。
別れは切ないな~くらいで観ていられたのに、
エリオが泣き出したあたりでもらい泣きしてしまい、お父さんの言葉に号泣……
あの言葉、学生時代、それこそエリオと同じくらいの年頃の、性的指向に悩める子達に届いてほしいな…
初めて好きになったのが同性だとその後も指向に悩んだりするんじゃないかと思うし。
エリオの場合は初めて肌を重ねたのが異性で、それは多分オリバーからの逃避でもあって、でもそれを気持ちいいと思えていたし、お父さんの言葉もあったから、彼を好きになったことを悔やまずに痛みも愛して生きていけるといいな。
オリバーは、エリオくんが一度しかない人生で、多分初めて好きになった人で、きっと一生忘れない人なんだろうな。
もう二度と会わないかもしれないけど、連絡すら取らなくなるかもしれないけど、会ってしまったらきっと心が疼いてしまう人なんだろうな。

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原作読みながらメモしてた感想



二人が「話をしたい」と言ったり、「話」をしていたとき、大学の先生が「人間は孤独だから、手を繋いで誤魔化したらダメだよ。言葉にしないと」と言っていた事を思い出した。

「話をしたい」という二人の「話」は雑談ではなく、特別な「話」である。そしてそれは「するべきでない話」でもある。
彼らは「話をする」ことで、互いの心を切って見せ合うのだ。彼の孤独を埋めるために。そしてまた自らの孤独を埋めるために。
恐らく彼らはそれまでどうしようもなく孤独だったのだ。
どうしても自分の半身を見つけることができずにいたのだ。
かちりとはまるようなその人に出会って、きっと一目見たときに気づいたはずなのだ。ささやかなシグナルを発してなお、お互いそれを悟ることなく悟られることなく日々を過ごして、ようやく「話をした」ときにはもう別れはすぐそこまで来ていて。
初めて肌を重ねるときはむしろ「話」をしなくて、エリオは少なからず後悔をしたりして。
でも多分、エリオ以上に(もちろん人の感情の大きさなど比べることはできないのだが)オリヴァーの方がずっと懊悩したはずなのだ。
彼よりいくつも歳上で、それはしてはいけないこと恥ずべきこととわかっていて、するべきでないとわかっていたのだから。
それでも求められてしまえば、幸せで、抑えることなどできなかったのだ。
たとえエリオから恨まれたとしても。彼がひどく後悔したとしても。
一時の快楽に溺れてしまったのだ。ほんの一時、ほんの一時を彼はずっと忘れないだろう。何一つ。
自分の名前を自分で呼ぶことなどあまりない。だからこそ彼らは自分の名前を呼ぶ度に思い出すのだろう。愛した人を呼んだことを。




原作の続きが出るそうですね。楽しみです。