徒然。

備忘録

ハピ婚初日感想(ネタバレ)

ソロパフォーマンス演劇HappyWedding

初日の新鮮な悲鳴

後側2列目通路席だったのでめちゃ近くで拝む機会があり顔が綺麗すぎてびびった。こちとらべしょべしょに泣いているのに…

 

べしょべしょに泣いた。人目がなければ今も泣きたい。(帰路で書き始めた)

泣きすぎて推し見てない。ハピエンも好きだったけどやっぱり脚本好きだな。

今回はオムニバス、群像劇とのことで、最近私意外と群像劇とか好きなんだな~と思ってたので楽しみにしていた。

 

会場は式場のようで、結婚式っぽい音楽も流れていておめでたいお席だ~と入場早々ワクワク。

 

いよいよ新郎新婦入場。新郎目付き悪くてザカザカ歩く感じで新婦エスコートしている様子もなくて結婚式…?となる。乗り気じゃなさそう。何故。政略結婚かはたまた偽装結婚か(ならもっと幸せなふりするか)

新婦の椅子引いててそこスタッフじゃないのか、となった(一瞬スタッフ役だったのか?と今思った)

新郎椅子の上に体育座りしてて、シャーロックホームズか!?となっていたら暗転。なかなかにクセ強で、あらすじのなにかおかしい、が既に始まってた。

 

新郎上司挨拶。

ここで明かされる(?)新郎の職場、お好み焼き屋。その見た目で!?バンドじゃないの!?と思ったらバイトの模様。音楽だけでは食っていけぬ、というあの世知辛いやつだ…ハピエンに続き、なんというか、「成功者」じゃない側の人間を描いてくるのがこう…ヘキに刺さる…

おじさんをやるときの推し、だいたいウザいかキモい系なのなんでだろうね。絶妙にウザくてキモくてリアルなんだけど、別に実際見た記憶は特にない。

夏の乙女もそうなんだけど、なんというか、「どこかで見たことある!(気がする!)」「いるよね~!」という、共通の幻覚を作るのが上手い気がする。

 

春彦のバンドの、「普通」というノイズミュージック(?)を流してくれるおじさん、空気読めなくてダルくて、でもなんかずっと優しくてなんか憎めない、という愛嬌あるキャラ造形でしたね。

そりゃあ挨拶とかね、緊張するよね…バイト足りなかったからってなんやかんやね、引き止めて雇って挨拶までしてくれるの、「普通」にいい人なんだろうな、という感じ。

 

お次は新婦のビジネスパートナー、ロバート田中。

推し、インテリヤクザの役やってくれん???

こういうスタイリング良すぎる~~!!!オールバックとか額を出しているビジュにそんなに惹かれないと思っていたのだがめちゃくちゃビジュが良い。

めちゃくちゃ横文字遣う嫌味なインテリ気取りビジネスマンぷりが似合いすぎていた。港区???タワマン???逆におらんのよこんなん、いや会ったことないだけでいるかもわからんけど。おらんのよ、と思うのにでもやっぱり「いそう~!」「わかる~!」というキャラ造形なんだよなあ…不思議。

なに言ってるか半分くらいはわからんが新婦にクソでか感情があるというかシンプル横恋慕だな~と思ってたらまさかの元夫!?!?そんなことある!?!?元夫にスピーチ頼むってどういうこと!?!?しかも夫の方が逃げてる!?未練があるわけでもない新婦、もしやこれは私を忘れて幸せになってね、とかそういうやつだったのだろうか…「普通」は頼まないよねえ…

新婦のおっとりした、騙されやすい、人の良いところを表すのに「なはなは」笑うって表現するの、とても好きだった。

朗らかでおおらかで穏やかで優しい、全てを受け止めて流してくれそうな、大丈夫だと思わせてくれそうな気がした。

でも元夫が怖くなって逃げた、と言うのもわかる。何にも怒らなくて責めなくて全て許されるのは、それはそれで怖い。いつ見捨てられるかわからないとか、受け止められてないのかもとか、どうでも良いからではないか、とか。どちらの場合もあるだろうし、ただそれを見せないだけということもあるから、余計に。

新婦に限っては全部見せてこそ夫婦、と思っていそうだから、勝手に不安になって疑心暗鬼になってしまったのだろうな、と思うとちょっと切なかった。ワクワクしながら前に進んでほしいね。

 

弟、アキくん(秋かな?)

この子がなんかこう、あっ普通じゃないな、というか、よく頭掻いてて神経質そうで、もしかしてこの子がこうだから、(弟を守るために)お兄ちゃんとして「普通じゃない」を演じてたりするのか?と思ったんですよね……理由は違えど、当たっていようとは思いませんでした……

カメラで写真を撮ってこうじゃない!というの、天才肌のそれのようで。学校行っていなかった、という言葉からももしかして…?となったのだけど、最後に弟が「普通」として出したイラストが普通じゃなくて、あーやっぱりテーマは「普通」なんだな、と思った。

そして「これじゃ表現できない!幸せとか悲しみを」と言ったので悲しみ???結婚式で???なにかおかしいってもしかして???と思ったの、次のミュージカルで忘れました。

 

バンド仲間のミュージカル

薄ミュ見れてなくてすみません!!!見ます!!DMMTVにあったから!!!

普通に歌上手いんだよな…声がよく通る気がする。音楽のことはよくわからないけど、歌詞が聞き取りやすい。ミュージカルなに言ってるかわからないことが多々あるから助かる。(でも前にあそびばボイトレ回で歌上手い人は母音をそのままの発音しない(アをエの口で出すとかそんなやつ)みたいなこと言ってたからそういう手法を使ってなくて聴きやすい可能性もあるのかなと思ったりした。)

そして暴露される、「奇人変人キャラは作られたものだった!!!」

ここで若干推しがダブり心臓が痛い。ハピエンの売れない役者の話も、ifルートみたいでしんどかったし本人も鏡像とか言ってたけど…

まあ別にね、推しは作ってようがどっちでも良いのだけど、後々春彦の口から、どうして演じてたかが語られるもんだから、一人芝居だし宛書じゃないよね、とちょっと怖くなってしまった。多少は演じてるのだろうな、とは思っているので余計に。

いつか「普通に」生きたいと思っていたりするのだろうか。おもしれー男とは思っているけど別にガチ奇人変人とは思ってないから、しんどくなるくらいならやめればいいのに、と春彦にだか推しにだかわからない感想を抱いてしまった。しかしそういうものは得てしてやめられるものではなく、そもそもやめられるものならとっくにやめているというか、習い性になっているのならばやめるとかいう話ですらなくなってしまうんだよな…生きることは儘ならないな…

 

新婦の会社社員3人の余興、人体切断ショー

人体切断ショーってなに!?結婚式でやることか!?ぶりっこ、無骨、クール系という感じの女子3人見事に演じ分けていたなというか女子のレパートリー多いな、クール系お声がめちゃタイプでした結婚式にいたら新婦に紹介してもらいたい(?)

先の暴露で動揺している3人、こちらもわりと動揺しているのでほんとにやるの??やるんだ??えっそれあってる??なマイムだった、ゆっくり闇に包まれてったのちょっとおもろかった

 

祝電(ここじゃないかも?)田子の浦さん

新婦の会社の元社員、結婚の先輩として「夫が畳んだ洗濯物を畳み直すと機嫌が悪くなる」ネットの愚痴みたいなアドバイスわろた

 

その結婚、ちょっと待ったーーーーーぁ!!!男、山崎

出た!!!!!!ほんとにあるとは!!!新婦に好かれていた男、あのときは勇気が出ずにすみません!!!と乗り込んできた。しかしそれは思い込みだと新婦部下。田子の浦さんが新婦は僕のこと好き(かも?)って言ってた!新婦に聞こう!と食い下がる山崎。新婦はどこ!?と新郎新婦の席に進むも、そこには写真があるのみで、「遺影みたい」と。

もうねーーー「悲しみ」も入場の新郎が新婦をエスコートしている様子がないのも様子がおかしい新郎を誰も咎めないのも繋がる。そうだよね……

 

新婦叔父(司会進行)

山崎を咎めつつ、ハンカチを貸してあげる、不器用で優しそうでヘキに刺さる、私は不器用で優しい男に弱い。ぶっきらぼうな話し方良い。

新郎にも、新婦との打ち合わせの話を教えてくれて…新婦が何を思って彼の秘密を暴露したのか、叔父さんが言ってくれなければ一生知ることができなかっただろうな。

どうして、なんで、が二度と届かないのが切ない。人が亡くなるということはそういうことで、生きていれば終わりは来て、どんなに身近な人でもわからないことはあって、わからないまま会えなくなってしまうのも珍しくなくて。だからこそ、どうして、がひとつでもわかったのはせめてもの幸いなのかな、と思うし、新婦の願いでもあったのかな…

お互いを尊重しあう時代だし、彼の秘密を暴露するのは(解放してあげたいという)お節介だけど、お節介焼けないような夫婦になりたくない、彼女は踏み込みたかった、というのとても良かった。

お互いを尊重しあう時代、という言い方がすきだし、そういう時代になったことは喜ばしいことなのだけれど、同時に踏み込めないのは寂しいよね、があって…もどかしい…

 

 

新郎独白

もう、もうね、推しのことかと。あんまり声も作ってないような気がして、尚更そう聞こえてしまった…

「普通」の人間は覚えていてもらえない、「特別」になれない、なれないなら「特別」を演じれば良い、というのが…

弟が「普通」じゃなかったから、みんなそっちに注目する。クラスで同窓会するってなったときに真っ先に思い出されるのは中心にいた人か、逆にいじめられたりして可哀想な人。「普通」の層は記憶に残らない、中でもど真ん中「普通」の人は思い出してもらえない…………

私が学生時代優等生してて思ってたやつ……!!!!!!!無理!!!!!!!めちゃくちゃ成績良くもなく、かといってすごい悪くもなく、目立たず騒がず大人しく過ごしていて、好きな先生達にも気軽に話しかけに行けないし、卒業したら忘れられちゃうだろうな…と思っていたことを思い出した。推しのこと似たタイプだと勝手に思っているけど出されるものに覚えがありすぎるの怖いね。

 

悪目立ちはしたくない、けど特別にもなれない、みたいな立場の人間なんてごまんといるとは思うのだけど、そこにスポットライト当ててくるの、べしょべしょに泣いた……

音楽というジャンルではあったけど、そのなかで特別になれないという話、芸大受験した話とか、執筆の話とか、演劇の話とかとも重なるのだろうな、広く芸術一般に通ずる話だから、と思うと本当に……重ねない方が無理でしょ……

特別な人間なんてほんの一握りで、たいていの人は名前も残さずに人生を終えていって、誰しも特別になりたいという願いはあれど、その形は様々で、誰かの特別になるだけでいい人もいれば、たくさんの人の特別になりたい人もいて。なんとなく春彦は漠然と「特別」になりたいだけ(思春期なんてそんなものだとは思うし、そうこうしてたら引っ込みがつかなくなってしまったという話だけど)で、そこから降りて良いよ、降りて大丈夫だよ、みんなわかってくれるから、と言ってくれたのが未知さんなんだなあ。救い……………………

 

普通に生きようと君が言ったから

今日は僕らの結婚記念日

最近流行りの(?)本歌取りしたくなっちゃった、お通夜だったけど

 

新婦が撮っていた「普通」の新郎の姿、なんでもない愛おしい日常という感じで泣いた。

ああいう幸せが、急に絶たれて終わってしまうのが本当に哀しくてつらいんだけど、でもそれも現実に起こり得ることで、だからこそ日々を大切に生きたいと思うのに、数日すればまたいつもどおり、普通の日常を過ごしてしまうんだよね。当たり前じゃないことを意識していたら生きられないし、忘れないとしんどいから。

あの映像はその何気ない日常の、普通の日々を映していて、でもそれがもう二度と戻ることがないのが悲しい。

それでも、新婦が新郎に秘密で企んでいたことが、新郎の背中を押して、また別の、新しい日常へと踏み出す力を与えていたのだと思うと、死んだら終わりではない、なにもなくなるわけではない、と思わせてくれて、めちゃくちゃしんどくて泣けるけど、前を向けるようなお話だったな。

脚本好きだ~~

 

しかし演劇の感想で脚本の話ばかりしてしまうの、俳優を推してる身としてありなの?いや好きに推すだけではあるのだけど、手紙とかも脚本の話を俳優にするの?となって書きづらいし…まあ物語が好きなので仕方ないし、そもそも演技がちゃんとしていなければ本の良さも伝わらないからな…うん…

 

髪型髪色似てるからってカテコで謎にエド(鋼)のマネしてたの笑った。パンフ見たら脚本の方映画のハガレン書いてたからそれもあるのかな?

締めやろうとした?のか、なんかできなくて「慣れないものはやるもんじゃない」って言ってて、千秋楽までにがんばれー!の気持ち。音頭取ってくれればこっちはいくらでもやります。

 

いくらでも書けそうだけど、同じことを言葉を変えて言ってるだけになるので一旦終わる。

しんどいけど、物語でくらい幸せに、よりは生あるかもしれない寂しい現実の物語の方が、余韻が残るし好きなので、ぴーちゃんと小山内さんに続いて引きずりそう…めちゃ良かったな…