徒然。

備忘録

舞台ちょっと今から仕事やめてくる③

千秋楽2階1列下手

推し定点メモ

・やっぱり幕開け走ってきて青山の手を掴むところ必死な顔をしている。今日は救いたい、に見えたな。

 

 

・「酷い男やわぁ~」の女子ムーブ可愛い。ヤマモトちょいちょい女子ムーブするし振れ幅が大きくて緩急激しいけど、それがちゃんと一人の人間として説得力あるの不思議だな。ヤマモトに集約してる。

 

・「純って呼ぼうかな」と言われたときの傷ついたような顔が痛々しくてしんどい。もういない双子の免許証を持ち歩いて、その名を名乗って、死んだ双子と一緒に生きるつもりだったんだろうか…いつまでもしんどいだろうに…

 

・「何よりは簡単なわけ?」と尋ねるシーン、目元が影になるライティング最高…その後のホームでフラフラしてたら落ちるねんぞ、の優しくて哀しい笑顔は明るくなってたはずなので本当に…あのシーンのライティング良すぎて引きで二人とも見える画角で収録して欲しい…頼む…ヤマモトが責めるでもなくやわらかくゆっくり語りかけるのめちゃ好きだったなぁ。息がつまりそうなほど優しくて苦しかった。きっとヤマモトが一番しんどかったろうな…

 

・青山に電話して、「もう大丈夫だから」って言われるとき、声はずっと優しいままで、表情だけが強張っていくヤマモト、めちゃくちゃ怖かっただろうな…間に合ってよかった…ここの青山の「ストーカーかよ」原作にはないんだけど、最後に呼応するのがめちゃ好きだった。なんでここに?、助けに来たよ、が聞こえる気がした。この辺の青山の心情描写言わせるわけにもいかないから台詞しかないけど、めちゃよかったな。

 

・屋上の説得シーン、やっぱりヤマモトが涙声なのが…来るものがある…僅かな音も立てないよう刺激しないようゆっくり近付いてって…「こっち、向いてよ」がもう懇願にも哀願にも聞こえるほどに、本当に優しくて、優しいから哀しい…手が届いてよかった。今度は。青山がしゃがみこんで泣くのをなにも言わずに側にいながら、そっと右手で青山の肩に触れつつ、扉との間に入って素早く閉めるの流石の早業。ちゃんと肩に触れているところ好き。鼻の頭から目頭辺りが赤くなってたの、やっぱり泣いて…

 

・青山に人生誰のためにあると思う?と言って「お前?」と返されたときの気持ち悪…のトーンで深刻な場面なのに笑っちゃったし、結構笑ってる人いてびっくりしちゃった。なんとなく、よく真正面からそんな恥ずかしいこと言えるな、って呆れつつ茶化してる感じがした。(原作読んだら友達いなくてのあとにヤマモトが呆れた顔する描写があったので、私の記憶が前後している可能性もあるけど)

一昨日はそんなにだったと思うんだけど今日は他のシーンでも結構笑い多かったな。

 

・屋上で青山が留守電聞いてるところ、片膝抱えて多分救えなかった片割れを思っているだろう悼むような、でもどこか慈しむような、優しさと哀しさが混じった表情が良すぎる…

見え方は受け手によるものでもあるとは思うけれど、色々な感情を綯交ぜにした複雑で繊細な表情だな、と思った。私は芝居は素人なのでよくわからないですけど…そう見えた。

 

・アイスコーヒー寒くないの?と言われて小さく「好きなのぉ…」と返すときの言い方が可愛かった。ここのアドリブ毎回可愛いの何??

 

・青山に「山本…優!」 って呼ばれたときの驚きに緩やかに焦りとか怯えとかが混ざっていくの、嫌われるくらいならと離れる、になるヤマモトだった。めんどくさい男最高。試し行動みたいで好き。原作の人生かえてくる方でもサクッと五十嵐の前から消えるし、患者ではないから深入りしない、というだけにも思えなくもないけど、なんとなく親しい人間を作らない、の方な気がしている。大事なものなんかない方が失くさなくてすむもんね…

 

・2年後に再会したときに驚いて白衣を握りしめてるのが本当に会う気がなかったんだろうなと思えるし焦りを感じられて良い。情けない顔で笑うの心臓ぎゅってなる。再会してくれてよかった。

 

・カテコ終わり二回目階段上から捌けて、影で手を振ってるのが見えたのかわいかった

 

人間は人間を救えない、とは思っているんですけど、人間が人間を救う話は大好きなので、ヤマモトが救われて本当によかった…

青山ももちろんヤマモトに救われているんだけど、それは命を救った方で、ヤマモトはなんというか心とか人生というのかな、生きてはいけるけれど…というところを救われたと思っている。

どちらも救ったことには変わらないけれど、個人的に後者の方が難しいというか、理由がある自殺より理由がない(わからない、複数ある、衝動的に、とかそういう…あれ…)自殺の方が止めようがないような気がしているので…

仕事を辞めるだけで回復する人もいるだろうけれど、トラウマや鬱になってる可能性もあったり、一度折れると折れやすくなるみたいな話も聞くから、青山がそうだったらかなり長期戦だったよね…

ヤマモトは臨床心理士だしまあその辺は流石に大丈夫だと思いたいけれど、あのとき目の前で青山に死なれてたら本当にトラウマどころじゃなかったのでは?というか目の前じゃなくとも絶対にまた無力感に襲われていたよね、と思うと本当に…死にたい理由が仕事だったから救えたようなものの、そうじゃない人間を救うのは難しかったんじゃないかと思っちゃうよ…

自分のやっていることはエゴで自己満足じゃないのか、と自問している辺りも本当に危うくて怖い…一度は救えた人間が離れたところで死んでたとか言われたら壊れてしまってなかっただろうか…言ってしまえばまあエゴだけど、死ぬのもそりゃエゴなので…どっちがとは言えないけど遺された方は堪ったものではないよね…

青山に出会ったのは偶然で、だから患者とは病院で会うけどお前は違ったから、と失踪したけど、患者としてじゃなくて友達として救ったから、青山も今度は自分が救いたい、になるんだよね…

サバイバーズギルト(とは厳密には違うかもだけど…)に苦しんでいることなんて、病院の人も知らないんじゃない?青山が友達として接してたから見えたことだよねきっと…

純って呼ぼうかな、と言ったときの傷ついたような表情を見逃さなかったり、本人には言わずわざわざ実家まで行ったり…友達じゃなかったら、知ることもなかったし救いたい、にはならなかったから本当にあの出会いは運命だったよね、お互いにとって…

幸せに生きていきました、とはならないものだけれど、生きているうちにちゃんと幸せを感じられるように、ヤマモトがなってくれたら良いな、きっとなれるだろう、と思えたので本当にありがとう青山…

基本的に光属性というか、根が真っ直ぐで前向きで明るい人って感じだったな青山。最後五十嵐先輩に謝られても、辞めるからとはいえあっけらかんとしすぎててちょっと怖いくらいだったけど。あそこで許される方がつらくない??自分がより醜いものに思えるよね…と五十嵐先輩に同情してしまった。原作と告白のタイミングが違うせいもあるけど。

 

 

梅津さんカテコで続編もあるので~とは言ってくれたけど続編の内容一部練り込まれてるんだよなあ…というかやっぱりそれも含めた演技ですよね??

原作読んだ限りでは本当に気のいいあんちゃんってイメージだったのに、一回目の観劇中ずっとヤマモトの表情が慈愛に見えて動揺してて、続編読んだらやっぱり慈愛じゃん!!!!!となっていたのでまた情緒をめちゃくちゃにされた…

推しの悲しみとか苦しさとか寂しさの滲むキャラめちゃくちゃ好きだなあ…ヤマモトに推しをキャスティングしてくれた人本当にありがとうございます…最高でした…

 

 

あとそろそろいいかなと思うんですけど、推しの元気の出るメッセージが「絶望するな」「諸行無常」なの、本当に刺さりすぎて呻いた。

初回観劇後になんも身構えずに開けたので「絶望するな」が出てきたときは泣くかと思った…

元気が出る、とは少し違うけど、沈んでるときに上向けも大丈夫も効果はないので…底まで沈まないように、戻れないところまで行くな、とギリギリのとこで押し返してくれる感じが好きだった。タイミング的にもものすごく。

そうは言っても不変のものはないので…そも無常観とか仏教好きなので諸行無常という言葉が好き。ヘキを的確に刺される怖い。狙い撃ちされてると言われた方がまだ安心するレベルで的確すぎて笑う。まあでもおすすめ本に老子(だったよね?)入ってるしな…ヘキなはずだよな…