徒然。

備忘録

虚構の劇団解散公演「日本人のへそ」雑感

アングラで戦後で浅草で小劇場で、確かにワイザツだったな。

昨今のメインストリームには乗せられないやつ。

オチまで見ると面白いけど、ストーリー冒頭に近○相○があり、その時点でダメージ大きくてあとの話をビクビクして見てたので見ている間は安心して楽しめなかった…

アングラも浅草のあの猥雑な下町の感じも好きなんだけど、ストリッパー役の方々が肌を露出することを了承しているのか?とか、ヘレン役の方が下着になることを了承しているのか?とか、最近よく聞く映画界のセクハラ問題を思い出してしまい劇中ではなく現実のコンプラが心配になってしまって露出してる間は集中できなかった。上演されている以上問題ない、とはならんやん。

 

でもストーリー上の、ストリップは如何に演者の身体性を剥ぎ取るか、みたいな演技指導にはそれは芝居と通じるよなあと思ったりした。

ストーリー自体はその辺を除けば時代的にもそんなもんだよな、案外肯定的に同性愛を描くんだな、くらいかな。古き良き下町感と仁義と権力と、そういう時代だなあ、以上のことはないかな…

 

以下梅津さんの話

 

推し、障害がある役の振る舞いが上手すぎる…ひりひりかなにかでも思ったけどめっちゃ「っぽい」んだよな…人間観察の賜物なのだろうけど、身近にいたのかと思うほど…

吃音症というよりチックっぽいと言ってる人もいてめちゃ納得した。頭蓋骨陥没(?)による障害なら吃音以外にもあるだろうな…と納得させる腕の突っ張りかただった。

 

随分と顔の整った農民たちだな…となったし、ガタンゴトンしてるのとか無表情で物干し棹持ってるのちょっとおもろかった。

浅草商人な法被着て踊るところ、賑やかな仲見世思い出して楽しかったな~

法被のまま女性役やるとこ、表情やしなの作り方がやっぱり上手いし、押し倒されて膝ぴったり閉じているの、恥じらう女感あった……どこで覚えてくるのそれ……

 

台詞かないところも表情くるくる変わるからずっと見ていたいくらいだったし、紙人形劇のときも表情ころころ変わるからそっちのけで見ちゃうよね。細かい演技が好きだなあ。

 

どこか忘れたけど学生服だったので一幕の後半かな?みんなで踊って両手上げてこちら!みたいにするときに、男性陣パーの人が多いなか指先揃えて人差し指伸ばして他軽く曲げていてめちゃくちゃしなやかで綺麗でびっくりしちゃったし、そういう女性的な仕草が似合う手をしているなと思った。スラッと白くて綺麗だよね。流石に白魚のようなとまでは言わんけど。その後暫く手しか見えなかった。ちょっと茶道やってみてほしい。帛紗捌き絶対綺麗だと思う。

 

二幕早々にあの劇自体も劇だった、ということがわかり道理で本当に吃音が?と思うくらいの演技だな~となったし健常者が吃音症患者が演技をしているのを演じる、と二重構造で役者からしたら三重構造なのやられた!となった。ただのお手伝いさんやら秘書やらがあんなに上手いはずはないけど

居候の学生さんな推し、今度は男色かと思ったらそれもまた芝居のうちで確かにドタバタだった。

大人が見る悪夢、とパンフレットに書いてたけどどういう意味かなあ。

 

おもちゃ箱ひっくり返したような、という表現も納得の物語だけど、個人的には「我楽多」な感じ。

捨てられないけど大事なもの、なのかなと。