徒然。

備忘録

言式「解なし」2回目感想

10月27日(金)ソワレ下手

 

一話

よくよく考えたら誤解だとわかるのはインタビュー読んでたから、というのもおかしな話だし、スマホいじって時間潰してるのっておかしくない?実は誤解じゃなくてstkが偶然を装っていただけでは?まで考えていた。ジェスチャー見てたら怖がらせたみたいだから時間潰してて~て感じもあったので真相は闇の中ですね。まあ幸せならいいよね。知らぬが仏だし。

スカート覗き込まなくなった!!!お転婆娘を心配しつつ元気なのが可愛い、みたいなやれやれってお顔したりちょっと!見えるよ!隠して!みたいにしてた気がする、変わったことにびっくりして細かいとこ覚えてないですけど…

やれやれって表情にめちゃくちゃ愛情が滲み出ていて心臓鷲掴みされましたえ~~んそれはズルいじゃん最高ありがとう大好きでした!!!!!!!!!!!彼女泣かすんじゃねえぞ!!!!!!!(どこ目線?)

 

医者は「どうかされましたか?」だったな

あとやっぱ郵便受けに届いたはがきを見ているかのような、なにかを読んでショックを受けているような感じだったから、祥ちゃんの死をハガキで知ったのかな…?(いや現代にハガキでわざわざ?とは思うんだけど手の形が…手帳型のスマホケースならあんな感じになるけど…)その辺がちょっと違和感のフックになってて、最後の話に繋がるの上手いなあ。

 

やっぱり墓石(?)に口付けるの好きだなあ…冷たいだろうな…(ご遺体?とも思ったけど、棺開けてすぐはドライアイス吸うから危ないみたいな話を読んだし、流石に亡骸にはどうだろう、という気もしている。ヘキとしても墓石がいい…)

心情に重なるように降る雨も、雨の中動けない人に傘を差しかけてくれる人も、顔を上げたら雨が止んで陽が差すのも、手を取るのも、やっぱり全部好き。

この男が一人じゃなくてよかったなあ、と思わせてくれる……

 

オープニング

言式できた!!途中で1個逆で逆だー!って橋本さんが指差してたのとかコミカルで楽しい。

 

2話

「祥ちゃんが言ったんだよ」でもう泣いてた。ラストを知っているからというのもなくはないんだけど、あの声音がどうしても、その言葉にすがって生きている感じがしてダメ。

木を脱ぐところやっぱり蝉の羽化をモチーフにしているんだろうけど、青い光なのも好きだな。羽化したての羽は青いのを表してる感じ。

ちょっとホラーチックになるのも良い。誰も来ないよ、って笑ってるの、普通に怖いよね。最高。オチがバナナ虫なのほんと大好き。また三人で楽しく過ごしてほしいよぉ……

やっぱりこのお話が一番好きだな。

木になっている間はこの先どうなるんだろうって不安を忘れられるとか、多分そんなことよりやった方が良いことはあるんだけど、でもそこから目を逸らしてそれをしているような、それだけをしていれば大丈夫だと信じたいような……それを真っ向から否定して、変わらずにはいられないことを突きつけるのも、変わらなくても良いじゃない、をわからせようとするのも、多分そういうのなんもなしに変わらないナナちゃんも。きっと良い笑顔でバナナ虫見せたんだろうなあ……三人でいれば怖いものなんかなくてなんでもできたんだろうなあ、と思わせてくれたな。あの後男二人顔見合わせて難しく考えすぎたかもって笑っててほしいよ。ナナちゃんなんもわからずなんのことー?って首傾げてるしめちゃ可愛いけど無邪気すぎて拍子抜けしてくれ。三人でまた虫捕まえて、たくさん遊んで、みんなそれぞれやりたいことやるなり、なきゃないでとりあえずバイトでもして楽しく生きてくれ……

もはや感想通り越して二次創作しちゃうので止めます。

 

羽化した後祥ちゃんに木の皮着せるとき裏返った袖が直らなくて手が出なくて枝持たせるの諦めてバサッと下に置いたの笑った。無理矢理持てた気がするけど多分そうはしてなかったはず…

 

3話 

なぜか満たされないけれど、なぜかはわからない、に2022年カレンダーメイキングの「なにか足りないけど何が足りないのかわからない」を思い出しちゃって情緒がおしまいだった。

「空っぽの部屋空の心横たえて口笛吹く」(wandering/久保田誠人・時任稔)がヘキ過ぎてメイキングも情緒をめちゃくちゃにされたんですけど丁寧に擂り潰された。

前に本で愛着形成は幼少期に上手く行ってないとその後もなかなかうまく行かないみたいな話を読んで呻いてたんですけど、お金持ちの男の子、教育熱心かつお金持ちの家に生まれて何不自由ない生活をしてきたけれど、親は仕事で不在がち、必要なものもほしいものもなんでも与えられて将来は会社を継いで、そのためになることなら惜しみ無くお金をかけてもらっていたけど、夜ごはんを一緒に食べた記憶がない、みたいな寂しさがあって好き。

貧乏な子とどこで知り合ったの?という感じなんだけど付き合い長そうだから小学校までは公立だったか、スリか詐欺かカモられたかな気もする。最初はカモのつもりだったのになんか金持ちが友達扱いしてくるわどうにも寂しそうだし可哀想だし世間擦れしてなくてやりづれえ~~と思ってるうちに情が移ってしまい今の距離感、でももらえるもんはもらうし隙があるならいただくか!の調子の良さみたいな悪い奴じゃないんだけど…手癖が悪くて…とそのうち慣れたように紹介されてほしい。お金持ち男も絆されてるし貧乏人も絆されてる。全部妄想です。

 

4話

積み上げた箱が一瞬グラついたり、走ってたときに箱が隙間空いたりしててちょっとヒヤヒヤした。怪我だけはしないでほしい。

四畳半で6万は高い。

バイトだから代わりはいる、でも全てを捨てて走れ、結局どっち??てなるの好き。どっちだろうね。それはキミが選ぶんだよ。

才能ないってわかって嘆いて、たんぽぽで一攫千金!!になるのおバカで可愛いね。夢があって良い。いつか工場復活まで行ったらそれこそ夢物語だね。破れても今度は一人じゃないんじゃないかな。よかったね。

 

ラスト

今日はK列をお通りだった。

同じ日じゃなくて別の日とか、もしかしたら代役でやってるところの表現だったかもなあ、と思ったりした。わからないね。

カテコで正解はないんで、って言っていたけれど(書いたときはあったけど、とも言っていたのが、書き手だなあと思った)、作って世に出したものは作者の手を離れ受け取り手に委ねられる、を度々口にするところ、文学やってた人だなあと思って好き。

正解はないけれど、受け取った私はこう考えた、がある以上それが私の正解だから。まあそれもその時々変動はするので、やっぱり正解はないのだけれど。

 

来るな!!!って周囲に言っていたのは解体工事の日に座り込みでもしてたのかなあ。どうにも建物の中にいる気がしたので、建物と一緒に死ぬ気なのかと思っていた。

「芝居のセンスある」と言われたのに演出家してるのが、なんか今の状況をなぞってる感じでもう…

やっぱり最後の「祥ちゃん」が柔らかくて寂しくて好き。大好きなんだな……しんどいな……

もしかしたら倒壊する音に、いつか二人でドーン!ドーン!てしたときの声を思い出したのかなあ。

「解なし」見る前から何故かずっと「甲斐なし」と掛詞みたいだなあと思っていたのだけれど、全てが崩れていくところとか、始まっては終わってしまうこととか、無常を思えば「甲斐なし」でもあり、でもそんなことないよね、を逆説的に見せてもらったような気分になったなあ。

建物が崩れて全てが舞い上がるのがとても綺麗で、でもどんなに美しく大切なものも儚く塵芥と化してしまうし、最後に呼ぶ声ももう誰にも届かない。世は無常。