徒然。

備忘録

52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラという孤独なクジラの話を知っていたことと、凪良先生の推薦とのことで購入。
主人公のキナコがアンさんに呼び掛けるところで、これはしんどくてとても好きな話であろうことを確信した。
もしかして、と思った通り、アンさんは亡くなってて、それを自分のせいだと思っているキナコがしんどい。
家族とうまくいかなくて、一人で傷ついて、傷ついていることすら気づけなくて、それを気付かせてくれた大事な人までも亡くしてしまって。
だから一人で生きていこうとすることも、忘れられなくて泣いてしまうことも、悲しくて寂しくて、でももう傷つくのも傷つけるのも嫌なんだろうと思うと、仕方ないとも思う。一人でいる方が楽なこともたくさんある。
そんなどこか投げやりなキナコが52と出会って、なんとか助けられないかと動いて、そうして一人と一人が寄り添って歩いていこうとするのが、とても素敵だと思う。
流浪の月が好きな人は絶対に好きだな。
ひとりひとりの52ヘルツの声が、いつか誰かに届くといい。そういう世界になれば素敵だと思う。