徒然。

備忘録

歌舞伎刀剣乱舞

座席

7月2日(日)花道裏端

7月9日(日)昼 最前列上手

7月22日(土)昼 一桁上手端

舞台ファンサイト先行で一等席が3回も当たってしまったときはどうしようかと思ったし席が悪いと聞いたときは正直めちゃくちゃ萎えてたんですけど、初日入ったらめちゃくちゃ良くてあと2回も行ける!やったー!!!!!になりました。本当に楽しかった。

お席もまあ首は痛いけど花道裏はこっち歩いてくるのはよく見えたし、最前列は言わずもがなだし、上手端も奈落(すっぽん?)から上がってくるのがよく見えたので満足ではあります。

欲を言えば真ん中らへんでも見たかったから次は先行枠もそっちに少しくらいいれてほしいけど。

コラボお弁当やアイスもいただけて大満足でした。

 

物語

三日月宗近がずっと物憂げなの最高。そういう三日月宗近が大好物です。

足利義輝の話は刀ステでもやっているけど、当たり前なからアプローチが全然違って面白かったし、辿り着く先は史実なのか若干微妙な気がしたけど、歌舞伎自体そういうところがあるみたい(?)なのであまり気にならないというか、まあそもそもがフィクションだし、ゲームでも史実と異なる~の注釈はあるしな…

初見で言葉聞き取れるかな?ストーリーついていけるかな?とドキドキしたものの、言葉遣いも全然聞いてわかる程度だった。あれはいつ頃の言葉なんだろう?ある意味現代用に作ってる古語みたいな気がする。文法があんまり古典っぽくないというか…そりゃあ平安とは違うし江戸はわりと今と近いと聞いたことはあるけど…でも落語よりは古語って感じだった。近世は専門外すぎてわからんけど江戸儒学の頃のテクストと近い気はした。

 

審神者が威厳あってちょっと居丈高な感じ、偉い人とか武家の実力者みたいな感じで新鮮だった。そういう審神者もそりゃいるよな。江戸時代にあれば~みたいなコンセプトだったというのもどこかで読んだ気がするので、その辺もあるのかもしれない。

 

・小鍛冶が入ってたの、刀ミュで見たやつ!!!ってなった。小鍛冶は小狐丸を打つ話だけど、同じ三条だから三日月宗近のときに使われているんだろうな。良き。

 

・顕現口上めちゃくちゃかっこよかった!使うところは使いつつゲームボイスとはまた違ってて、それがまた素敵だった。三日月宗近の「月の剣はすなわち三日月」好きです。

 

・出陣前の思うところがありそうな様子の三日月宗近、珍しく素直な個体って感じがした。考え込む様子は見せても、あれほど憂い顔をしているのを見せてくれることはどのメディアミックスでもあまりない気がする。

 

・滋賀の古寺を襲撃する時間遡行軍、ワイヤーでフライングしたり、セットの天井裏(?)からでんぐりがえりするみたいに登場してすごかった!客席にも襲撃あって、最前列のとき打刀来てめちゃくちゃびっくりしてたら斬られたし膝丸が助けに来てくれてファンサ手厚~~!!!てなった、いやファンサじゃないんだけども。

 

・紅梅姫様がずっと可愛い。三日月宗近に叶わぬ恋心を伝えるの本当にめちゃくちゃ可愛い。あまりにも良すぎた。歌を詠みかけて、返歌がないどころか歌ごと叶わぬ恋とお諦めください、って返されちゃうの切なすぎるけどめちゃくちゃよかった。三日月宗近罪な男だ……

 

三日月宗近に度々側で仕えてほしいと願う義輝様に側にいるよ……ってなっちゃった。仕えることはできないと答えているけど、側にいて守ることはできますって言うの良いな。あの時代はまだ側にいるもんね……

ところで三日月宗近が義輝様のところにあったという話は確か確証はなかったと思うんですけど刀剣乱舞世界においてはそういうことになってるの、何か意味がありますか?単にゲームの守る「史実」が創作含めている、今現在の「史実」と異なるいうなれば「歴史物語」なだけなのだろうか…

 

・琵琶の語りで「朝まだき」って言っていたのに、今際の際の義輝様が「見目麗しき三日月じゃ」って言うのがちょっと気になっている。演出的にも日の出だったし死に際の幻覚か、閉じかけた視界ではそう見えたか、かと思ってみてたけど。

三日月は早くに出て早くに沈むし(立待月、居待月、寝待月の逆で)、永禄の変の日1565年6月17日も調べた限り上弦の月だったので。あんまり言うのも野暮だわね。

このシーンめちゃくちゃよくて、二人で斬りあって、三日月宗近が首に刀あてたときに義輝様が目を見開いて刀を見て、それから三日月宗近を見るの、その刀が三日月宗近だと、あそこで宗近が三日月宗近だと気付いて、刀押し返して改めて対峙するのめちゃくちゃよかった。

 

カテコ

同田貫兜割りしてたのが同田貫でよかった。

・膝丸の後ろで音楽に合わせて首を左右に揺らしながらルンルン歩いてた兄者がめちゃくちゃに可愛かった。

三日月宗近はどの本丸でも美しいありがとう。

・兄者小狐丸の髪もふもふしたりしてて可愛い。

・ニコニコな同田貫がめちゃくちゃ可愛い。

・だいたい全員白飛びする。

・源氏兄弟が仲良しで可愛い。

・父上はだいたい母上。

号泣映画

お題「邦画でも洋画でもアニメでも、泣けた!というレベルではなく、号泣した映画を教えてください。」

 

ストーリー伏せるので是非見てほしい。

 

①CLOSE

2023年7月14日に公開されたばかりの映画。

誰も悪くないけれど強いていえば社会と、つまりはそれを構成する誰もが悪いともいえるお話で、ただただ悲しかった。

できれば、何かにトラウマとかがなければ、何も見ずに見てほしいジュブナイル映画です。

 

②Call Me By Your Name(君の名前で僕を呼んで)

CLOSEと合わせて見てほしい。色彩鮮やかで綺麗な画面と音楽が素敵な作品。

夏から冬への移ろいと、人の関係の変化とが重なってどんどん引き込まれた。

惹かれ合った二人が、ただ一緒にいることが難しい世界が悲しくて切ないのに、ずっと画面が美しくて、それがより悲しさを引き立てていた。

間の使い方や、言葉にしないことが、むしろ雄弁に語りかけてくる作品だった。

 

TIGER & BUNNY The Rising

タイバニを見てきたからこそ、最初からずっと泣けたし、当時はまだ今ほどLGBTの話題もなくて、そんな中でマイノリティについて丁寧に描いているなと思った。人生でぶつかる色んな困難と、色んな優しさと、人々が生きている世界が生き生きと描かれていて大好きだった。

リトルバスケプレ公演

ミュージカル「伝説のリトルバスケットボール団」プレビュー公演夜公演観劇してきました。あらすじ読んでたのに開始早々スヒョンがいじめられててしんどくなっちゃった。橋本さんまた死にたい役を……となりながら見ていたしヤマモト…ヤマモト助けて…と思っちゃった(しごやめ)

ちゃんと助けてくれたよヤマモト、じゃないダインくん。

飛び降りようとしたスヒョンを三人で助けたのに責任を他の二人にさらっと押し付けたり、頭良くて剽軽で可愛かったなダインくん。

 

練習試合決まってコーチが「海には入らない」って言うから三人の死因が海難事故なんだろうなーと早々に察したのでおじさんが意味深に出てきたとこで遺族だ…となったしダインくんがスヒョンにアイスねだらせたとこでお父さんだ…と泣き始めてた。「いちごじゃなくてチョコがいいって何回も言ってるのに」で親って好きなものなんでか覚えてくれないというか、もっと小さい頃に好きだったものを好きだと思ってたりするよなあ、ってベショベショに泣いちゃった。拗ねたような甘えたような声音が可愛くてめちゃくちゃ愛情が滲んでて…忘れられないお父さんも、ここにいるってわかったら来るのをやめられなくなっちゃうから好きなアイスじゃなくていいって言うダインくんも哀しいね…どんな理由であれ大事な人の死は哀しいけれど、突然に、なんの前触れもなく襲い来る事故は特に。しかもそれが子供を助けたがための事故だから尚更、哀しい。優しい子だったから、と優しさを誇らしくも恨みにも思ってしまう。海や川の事故、助けようとせず救助を呼べ、とは言うけれど目の前で子供が溺れそうになっててなにもせずに呼ぶだけって実際は難しいだろうな…

お父さんに聞こえないけれど忘れていいよ、って歌うところめちゃくちゃ泣いた。梅津さんのお声が哀しくて寂しくてそれ以上に優しく聞こえて、ライティングも夕焼けみたいに包み込むようなやわらかい色であたたかくて…

忘れられるのは哀しいし寂しいはずだし、死んでしまって誰にも見えなくてつらいこともあったはずで、心残りがあるからそこにいるのに叶えられなくて、それでもずっと優しくいられるダインくんが切なすぎた。もちろん他の二人も。

忘れていいよ、はメタなこというと忘れないとしんどいからきっと故人もそう思ってくれているはず、という忘れたい自分の擁護だなあと思うんですけど、人間は忘れるし忘れなければ生きていけない生き物なので、忘れていいよ、と15年間願っているダインくんたちに、そんなにも長い間誰にも見えなくて何にもできないままでも優しさを忘れずにそこに在ることにグッと来た。

ダインくんはスヒョンにも願いはなに?ってずっと優しい声で語りかけてて(ソクチョの海に誘導はしてたけど)頭良くて剽軽で優しいはズルすぎるよ~~とベショベショに泣いていた。推しに泣かされてばかりいる。

でもダインの様子がおかしいところとか台詞ないときの動きとかはめちゃくちゃいつものウメツ節って感じで最高だった。天才と変人は紙一重というけど、ダインくんはなんかただただ頭良いしイケメンなのに残念なやつだな…ってなりそうな感じが…推しの役だな…みたいな…韓国版はダインくんべつに剽軽な役じゃなかったらしいので絶対役者に合わせたじゃんw

 

ジョンウコーチめちゃくちゃに歌がお上手だから仲間がいっぺんに亡くなった悲しみも楽しかった思い出も全てを包み込むような歌声で素敵だったな…明らかに声の出方が違ってすごい。ミュージカルの発声って感じだった。あの違いはなんだろう。お腹から声出てるとかいうけどなんかもっとからだ全体から声が出ているみたいな…わかんないけど。この間見たリトルマーメイドの海宝さんと同じ発声な気がした。

 

サンテは頭よかったけど今はなんにも覚えてられないすぐ忘れる、っていうのが忘れないとやってらんない、っぽくて自分にも他人にも興味なさそうでさっぱりしてるというよりは投げやりな感あってひやひやしたんだけど、スヒョンと友達になってなんか良い方向に行きそうでよかったな~てなった。てか最後幽霊たち見えてたってわかるのがめちゃくちゃびっくりして、忘れないとっていうのは見えないふりしないと、と同じだったのかなというか、周りを気にしてたら幽霊多すぎて大変だから、みたいな話だったらどうしようと思った、別に言及されてなかった、気になる~~それかもしかして席隣なのに覚えてなかったの、ダインが憑依してたから見えてなかったとか??うーん気になる、本公演で補足されないかな、こんなとこされなさそうだな…

バスケバカなのかと思ったらクラスで授業中ちゃんと手上げたりしてたし文武両道なのかな??

 

 

スンウめちゃくちゃかっこよかったんですよねバスケしてる姿が…男ならダンクくらい決めろ!みたいなのがさあ…本当にバスケ好きなんだなあと思えて…糸川さんがバスケしてるのアクターズリーグで見てたけどめちゃくちゃかっこよかったので惚れ惚れしながら見てました。

 

スヒョン飛び降りようとしたときに「助けて」って言ってたのがしんどい。誰も助けてくれなくてしんどいから飛び降りようとしてるのに、それでもまだ希望を捨てきれてないんだね…ダインくんはそれをわかって願いを聞いてくれててめちゃくちゃ優しかったなダインくん…聡明だね…幽霊たちに自分の苦しみなんかわかんないみたいに八つ当たりしてたところ、しんどかったな。自分がしんどいと他者の苦しみなんかわからないよね…仕方ないけど…幽霊たちがしんどそうに笑っていたのが優しくて哀しかった。それでもちゃんと最後はみんながジョンウコーチに見えるようにしてほしい、って願ってくれて、だから多分見えてなかったのに見えるようになって、バスケができて、成仏できたんだよね…スヒョンも本当に優しい子なんだな。サンテという良き友を得てキャプテンという居場所も得られてよかった。

 

ストーリーわかりやすいストレートな良い物語だったので、パワーアップした本公演を見るのが楽しみ。

 

「伝説の」バスケットボール「団」って言い方がオレたちサイキョ~~してる高校生っぽくて可愛いよね(日本の「部」にあたるのが韓国の「団」なだけとかだったら申し訳ないけど笑)

CLOSE感想

誰かと誰かの関係性に他者が名前をつけようとすることは、残酷で傲慢で横暴で、それにより彼等の関係性を壊すことになることを、私達は理解しないといけない。差別が人を殺すことを、理解しないといけない。

悲しい選択をしてしまった人を責めてはいけない。どんな選択であれ、その人の選択は尊重されるべきである。たとえそれが自分にとってつらい選択でも。その人にとっては、その時点での最善で最良だったはずなのだ。

 

 

レオとレミのことをからかった彼女たちに差別の自覚も悪意もなかっただろうことがあまりにも悲しい。なければ良いなんてことはもちろんない。けれど、彼女たちの価値観がまだ大半であり、そうじゃない二人が「おかしい」から、それを社会から学んでしまっているから、差別だと理解のないままからかっている。社会がまだ、異性愛規範で動いていることの証左だ。

彼等のセクシュアリティは作中でもインタビューでも明言されていないし、そもそもセクシュアリティについてを明言しなければならない環境はおかしいのだ。それを彼女たちが尋ねることを許しているのは、やはり社会がおかしい。

二人はきっとそんなことは考えてすらいなかった年頃だろう。レオは、冷やかされるのが嫌で距離を取っただけのつもりだったはずだ。以前ほどではなくとも、レミといることはやめなかったのだから。

レオはただ、周囲から「カップル」と言われない距離感にしたかっただけで、レミにはそれが世界の終わりのように感じたのだろう。親友以上に兄弟のような二人だった。半身を亡くしたような気持ちだっただろう。

彼等が学校で殴り合うシーン、同じベッドで眠るのはおかしいのだとレオが離れて、レミが追いかけて、もみくちゃになって喧嘩したシーンと重なる。きっとまだうまく感情を言葉にできない二人の、大切なコミュニケーションだったはずだ。あの時にちゃんと、ぶつかり合って、それでも一緒にいることを選べていれば、二人でずっといられたかもしれない。誰になにを言われても良いから今まで通り過ごすか、冷やかされない距離で生きるか、だけではない、解決策があったかもしれない。

けれど、彼等は引き剥がされてしまう。レミはレオが離れていくのを止められない。伸ばした手は届かない。掴み合いの喧嘩でも、掴み合っていれば世界は終わらなかった。レミが置いていかれたと、深く傷ついたことを、レオはあの時知るべきだったのだろう。そうしたら、距離の取り方を弛めるなり、話し合うなり、周りに慣れさせるか、差別的だと糾弾するか、なにか方法があったはずだ。

けれども、教師が掴み合いの喧嘩をしている二人を止めるのは当たり前で、誰も悪くない。だからこそやるせない。もう二人だけの世界ではなかった。

 

レミが「もういない」ことを心のどこかでわかっていて「病院にいるの?」と聞くレオが、自転車で、きっと車の中で座っているだけなんてできなかったのだろう、レミと走った道を必死にレミの家に向かうレオが、鍵の壊された扉でそれを悟ることが、あの時鍵をかけてしまったレミを思わせて悲しい。

一度閉ざされてしまった扉を開けさせることは困難で、手を伸ばすことすらできない。閉じ籠った人を助けることは難しくなってしまう。レミはその後ちゃんと出てきて、お腹が痛いと泣いた。きっと半身が離れた痛みだった。あの時にレオと話し合えていれば、と思わずにはいられない。言葉を二人で探して行ければ、そのうちにどちらもが落ち着ける距離感になれていたかもしれない。あるいは、周りからの言葉を気にしなかったかも。

 

レミがいなくなっても、翌日、いつも通り学校に行き遊びホッケーしていたレオが痛ましかった。ホッケーではわざと壁に当たっているように見えた。遊んでいても、楽しそうではなかった。日常のなかに、ぽっかりとレミがいない穴だけがあるのが切ない。スケートリンクの外を見ても、学校のベンチにも、花畑にも秘密基地にも、家にも、どこにもレミはいない。

葬儀に行くのを拒むのは、本当にレミがいなくなってしまったことを、見たくないからだろう。亡骸を見なければ、どこかで生きていると思えるから。現実を見たくないから。それでも、レミがどこにもいない事実は消せなくて、その現実で、レオは生きていく。

 

学校でカウンセリングがあることは、クラスメイトのケアという意味では良いことだろうが、レオにとっては苦痛だっただろう。

ただのクラスメイトが、レミを知った風に語ることは。自分さえもわかっていたかどうかわからないのに。レミは音楽が上手だった、と言うクラスメイトの声に席を立つのは、レミがずっとオーボエの練習をして、吹けるようになるまでを知っていたからだろう。クラスメイトにとってのレミはそうだった、というだけの話なのだが、レオが知るレミだけが、レオにとっては真実で、全てだったはずだ。

 

レオが半年以上経って、骨を折って、漸く大粒の涙を流せたことに安心した。レミの部屋に入ったときも、多分あの雨の帰り道も泣いてはいたけど、でも、まだ深い悲しみの中にいた。春になってもそれは変わらないだろうけど、でも、レミの母親になにがあったかを、抱えていた罪悪感を、見せられた。

レオは、自分のせいだという罪悪感と、レミがもういない喪失感と、会いたくても会えない寂しさを、ずっと一人で抱えてきて、お兄ちゃんに会いたいと吐露したり、レミの母親に自分のせいだと吐露したり、漸く抱えこんでいたものを見せられるようになったのが、本当に良かった。

悲しいけれど、どんなに悲しくても、どんなにつらくても、どんなに寂しくても、生活は続いていってしまう。一人で抱え込んだまま生きるのはしんどい。吐き出したからといって、楽になれるものでもないし、傷が消えることもないのだけれど、でも、一人で苦しんでいるのを見るのは、きっと周りもしんどい。

レオが話せるようになるのを、レミの母親はずっと待ってくれてた。何かあったと決めつけず、責めず、無理に聞き出そうとせず、ほしいものはなんでも持っていって良いし、また遊びに来てと言いながら。

自分のせいだと吐露したレオを、反射的に責めたりせずに、ただ息子の死を悲しんで、一言車から降りて、と言ったのが、顔を見たくないと思ったからなのか、最初から抱き締めるつもりだったかはわからない。けれど、抱き締めるなら降りなくてもできるから、恐らく前者なのだろう。それでも、森の中に入っていったレオを探して抱き締めたのが、大人としてどこまでも正しい行動だと思った。

レオのせいじゃないとも、レオのせいだとも、赦すとも赦さないとも言わない。起きたことは事実で、レオ自身がそう思っていることも事実だけれど、レミが何も残さなかった以上(とはいえレミが描いたであろう絵がたくさんシワだらけで出てきていたのだから、レオとなにかあったことは明白だろうが)、レミの本心もわからないのだから。

今は赦せなくとも、いつか赦せるかもしれないし、赦そうが赦すまいが事実は変わらないし、息子同然に接していたレオを恨むことが難しかったかもしれない。人間の感情はひとつではないから、深い悲しみと同時に、強い怒りを抱けたりもする。作中でも、「悲しみと怒りは似ている」という旨の台詞があった。

感情を正確に言葉にすることは難しい。ひとつではないのに、ひとつの言葉にした瞬間に、色々あったはずの感情が消えてしまったりする。何かに名前を付けることは、その名前に当てはまらないものを排除することだと思う。

カウンセリングシーンで「言葉にしなくちゃいけない」という台詞があったが、言葉にすることで、どろどろに混ざり合った感情を、分類することで、形作って整理していくんだろう。

そうやって、生きていくしかないのだと思うと、少し寂しくて、いつまでも形にしないまま、抱えていたかったような気もする。

けれども、どろどろした感情のままでは、きっと生きていけない。いつかそれに溺れてしまうから。

レオはこの先も、ずっとレミを喪った悲しみを抱いて生きていく。溶け出した悲しみや罪悪感や喪失感に溺れそうになりながら、きっとそれでも生きていく。

振り返ってももう花畑にはレミはいないけれど。前を、隣を走ることもないけれど。それでも、永遠に子どものままのレミを胸に抱きながら。一人で。

 

 

レオの初めての海外旅行は、レミと話したメキシコだと良い。

三どこ感想

2023年6月10日(土)

前方後半ブロック真ん中

 

面白かった!お嬢可愛くてかっこよかった~~!!

コメディとシリアスのバランスがちょうどよくて楽しい!キャラがみんな良くてストレスがなくて、気楽に見られてめちゃ楽しかった~~!!

リピート→バッドエンドの繰り返し、最初のうちはコミカルでだんだんしんどくなっていく感じとかバランスがちょうど良くて。しんどくなりすぎないけどシリアスなのバランスが良くてグッと来た。

庚申丸出てきて時間を巻き戻しての辺りで円環…三日月宗近…とはなったのと、殺陣がめちゃくちゃ見慣れた感じ(刀ステなので当然)、刀剣屋の廣瀬さんが登場時に「刀剣を乱舞して商いをしてきた~」って言うもんだからもうめちゃくちゃ刀剣乱舞だったけど。刀剣乱舞出てる人三人もいるもんね!

お嬢に出会ったお坊が「2丁目に出勤途中かと」って言ったりおとせが「トー横キッズ」と言ったりで場所ネタ強すぎて笑っちゃった。大衆芸能ってこういう感じだったんだろうなあ、となった。しかしまあTwitterで話題にはなるけどトー横キッズって全国区なんですか??伝わる??(ネタにして良いか?はこの際措くけど)

ストーリーは親の因果が子に報い、なんなら子の因果も絡み合い、何度やり直しても誰かが救われないし、呆然と座り込んでる庚申丸が可哀想でしんどかったけど、お嬢が何回でもやり直す!って言ってくれるのかっこよすぎて大好きだった。千を越えて二人で語ってるところの空気感も好き。お嬢すごい正統派ヒーローしてて女児の気持ち(がんばえー!)になった。

閻魔が坊主だったのって閻魔と地蔵が同じとされているのに由来してたりするのかなあ。地獄の沙汰も金次第とはいうけど金じゃなくて心が動かしてるのハッピーで良かったな。

和尚がまともになりたいと(手段はともかく)言ったり、お坊が御家建て直したいと言ったりお嬢がみんなで幸せになりたいと奮闘したり、やり方は間違えてても心根が腐っているわけではないのが憎みきれなくて人情話って感じ。

 

ビジュの話なんですけど、時間戻して女の姿してなきゃいい!で着流しみたいになってたのバチクソかっこよくてダメだった。そんなん一目惚れするんだわ…黒髪長髪をゆるっと結んだ着流しの男なんてヘキすぎるんですけど!!!可愛いお嬢しかないと思っていたので急に好みの男前を出されてダメでした。一目惚れしちゃうよねおとせちゃんも一重ちゃんも、わかる~~!!あと髪カチューシャみたいに三つ編みしてた気がするんだけど可愛くない??可愛くてカッコいいはズルなんよ。は~~好き舞台ショット下さい。

あと帯とか服の模様とかがめちゃロバート田中だった。

お嬢はひたすら可愛かった。男前とバレた時はかっこいいし女の子してるときは可愛いし、でもなんだっけ最初に時間戻すとこ?かなにかで、右奥でちゃんばら見てるとききゃーって感じで立ってるの仕草がめちゃくちゃ女の子で女のふりして生きてきたのが身に付いてる!!!!!!ってはしゃいじゃった……ああいうところで女の子してるのめちゃ可愛い~~

あと八百屋お七って名乗ったので丙午の女!!!!!!苛烈!!!!!放火する!?ってなった。違った。

最後の役者お嬢もめちゃ可愛くてかっこよくて…あの衣装で梯子登るのはハラハラしたけど。ちゃんと運動靴でよかった…

あとやっぱ推しの声好きなので低音心地よかったですね。庚申丸にモテる男はつらいねえみたいに言って静かに話すところの声よかったなあ…

舞台セトウツミ

面白かったー!めちゃくちゃよかった!

セトウツミは面白いけどゲラゲラ笑うよりかは淡々とした笑いというかシュールな笑いだと思っていたから、全編通して結構笑い声上がってたり、過去とファイル、未来とファイルで大爆笑が起きてたのびっくりしたんだけど、周りが笑ってるとなんだかこっちも楽しくなるから、どの媒体とも違った楽しみ方ができて面白かった!

舞台はなまものとか、お客さんが入って完成する、とかよく言ってくれるし、今までもなまものだと思ってはいたけど、同じ作品でも違う楽しみ方ができたのがとても良い体験だった!!舞台やってくれて本当に嬉しい~~!!入ったときはこんなに大きいハコでやる話ではないような…と思ったんだけど、幕が上がったら意外とこじんまりして、そんなに舞台も遠く感じなくてちょうど良い規模感だった。

原作も映画もドラマも履修している大好きな作品なので舞台決まったときから誰がやるのか楽しみにしていて、まさかの牧島くん発案と聞いて原作好きな俳優さんなら絶対良いものになると確信してたけどめちゃくちゃよかった~!!

関西弁特訓、とは言ってたけど牧島くんも他のキャストさんも関西弁めちゃナチュラルですごかった!!なんなら一期/ハツ美ちゃんの佐藤日向さんも関西弁ネイティブだと思ってたくらいめちゃくちゃナチュラルだった。すごすぎる。

ドラマも映画も内海役の俳優さん福岡出身だったし私も関東なので実際のところはわからないけど、牧島くんの関西弁は馴染みのある関西弁だった気がする。めちゃくちゃ内海だ~!!てなった。牧島くん声が低いから内海のダウナーな感じによくあっててめちゃくちゃ最高に内海想で好き。

後方なので細かい表情は見えなかったけど、ハツ美ちゃんの通訳してるとこの内海好きだったな。楽しそうで可愛い。

瀬戸が内海に「最近よく笑うようになったな」って言うのめちゃくちゃ好きなんだけど、樟太郎くんの言い方なんかめちゃくちゃ優しくてヒーローじゃんってなっちゃった…全然無意識でも無自覚でもなかったのが滲んでてめちゃよかったなぁ…あとあそこで動揺する内海が可愛い…

 

登場人物からあのラスト向かうならやると思ってた話は一通りあったけど、雨宿りの話があったのはちょっと意外だったな。あれ確か映画にはあってドラマにはなかったやつな気がするんだけど、内容的には直接伏線ではないと思うので…

傘あるのにないふりして内海といようとする瀬戸の可愛らしさと、家に帰れない二人の居場所はあの河原しかないんだな、という寂しさと、でも二人でいるから一人じゃないんだよな、の温かさがめちゃくちゃ好きな話…

瀬戸が樫村さん好きなのも樫村さんが内海が好きなのもわかってるからお互い気まずいながら、風邪引いてるから送ってやって、って自分は傘あるからと内海の背中押す瀬戸、傘あることは言わない(ないふりしちゃったから今更言えない、だろうけど)瀬戸の不器用で優しいとこ好き。ただただ二人の時間が愛しくなる話なのであれ入れてくれたの嬉しかったな~

あと車椅子の女の子の話も絶対あるのは配役でわかってたし、「スーパースター」瀬戸を見せるためなので必要な話ではあるけど、見られて嬉しい。内海が同族嫌悪的に露悪的な態度を取ってしまって、「もうすぐスーパースターが来るから」と瀬戸を信頼している言葉を溢すの好き。彼女を笑わせてくれた瀬戸にすぐ冷めるのも、車椅子を無言で押すのも、不器用で内海らしくて。なんにも興味を示さなかった、と言ってるけど確実に、瀬戸に出会って変わってるよね。

あんなアホなやつ初めて見た、って笑ってるというの、内海は瀬戸のことを裏表がない素直なやつだと思っているだろうな、と思っていて…そういうところがスーパースターなのだろうけど、樟太郎くんの瀬戸、雰囲気がやわらかくて明るくて、でもなんとなくめちゃ陽キャ!なだけでもないというか、あの河原では家に帰りたくないけどそういうことを誰かにあまり話したくはない、みたいな陰があるのが波長があったのかな~と思わせる瀬戸で大変よかった。なんかずっとスーパースターの語に引っ張られていたけど、なんというかヒエラルキー上位な瀬戸にも欠けた部分があるんだ、に改めて気付かされた。普段内海のことばかり見てるので新鮮かも。わりと陽に描かれていたような気がするし、ドラマと映画は撮影が実際外なのか青空の下で明るい感じだったので、室内だとまた印象が違った気がする。あとずっと背景モノクロだったのが、瀬戸に救われてから色が付いていたの、世界が変わった感じしてめちゃよかったな~~

 

演出は絵しりとりとか、恋文とか、バックスクリーンに写してくれるのも良かった。恋文バックスクリーン注目してるから意味深に改行してるのがわかりやすくて(原作の伏線は全然気づいてなかった人)めちゃくちゃ偶然じゃない~~!!ってなって最高だった。1個だけ気になったの、羽根と心根のところで、瀬戸がシャトル拾わなかったのシャトルに蝶が止まっていたからだと思っているので(勝ちたさがないかといわれるとそんなこともないだろうけど)そこがわからなかったのは残念かも…原作読んでほしいね…

最後にスタンディングオベーション持ってくるのは天才の脚本すぎた!!!!!やりたかったけどほんと一人目になる勇気はないし、なるとしてもじゃあどのタイミングで?てなるし、そも初回でもないし、と思ってたらスタンディングオベーションって出てもうこれはやれってことじゃん!!!!!やったー!!!ありがとういつ!?どのタイミングで!?ってめちゃソワソワした。内海が立つくらいでみんな立って、こっち見た内海もとい牧島くんがちょっとびっくりしてた?のも、拍手浴びて満足そうな瀬戸もとい樟太郎くんもよかった~~!!日程が許せばあれをやりにリピートしたいくらいだよ…

 

田中真二は思ったよりハイテンションだったのが面白かったな、お母さんへの手紙とかドラマだと圧は強いけど淡々と、動かず語る感じだったからめちゃくちゃ動く田中真二おもろいし小柄だから可愛いしで、いじけためんどくさい感じが少なめの愛らしいキャラになってた。

オカンがふらふら自転車漕いでくのもおもろかったし納谷さんめちゃよかったな。

 

お姉ちゃん思いの外強そうな声でオトンに勝てそうやな…なった。お姉さんも規則性の中にいますね、はハツ美ちゃんの台詞だけど、人間ってお姉さんが思ってるより自由ですよ、は瀬戸の言葉かなと思ってて、お姉さんも瀬戸に救われたんだろうなと思うとほんとスーパースターやで瀬戸ぉ…

 

ハツ美ちゃんと一期ちゃんの役者さんがなんで一緒なんだろ?一緒に出るシーンあるのに、と思ってたけど単純に衣装替え多いからその方が楽そうだったからかな……同じ方なのに全然別人なのすごい。ハツ美ちゃんが田中真二に圧かけてるとこ好きなんだけど、あそこの畳み掛けるような関西弁も全然違和感なくてめちゃくちゃすごかった。逆に一期ちゃんのときはずっとのんびりしてて演じ分けもお上手で、二人いる気分だった。

 

 

6月9日(金)配信見て追記

内海の犯行独白、瞬きほとんどしないで宙を見つめて語ってて怖いし、終盤爪を噛んで落ち着かない様子になってくのが本当に狂気じみてて最高だった…ドラマだと淡々と内心で語っている絵だったから、口が動くぶん目は動かさないのが狂気を滲み出していた気がする。内海は何にも興味を示さなかったと言われているしそれはそうなのだろうけど、途中からは努めて揺らさないようになってしまったんじゃないか、という気がした。虐待で心を殺すようになっちゃったみたいな…

瀬戸によく笑うようになったな、って言われたときに現地では動揺したように見えたのだけど(視力悪いせいかもしれん)、配信のカメラだと「え?なんて?」てくらいで聞き逃してそうな感じで気が緩んでるかんじでめちゃくちゃ「友人」だったの最高だったなあ…

 

うたかたモザイク/一穂ミチ 感想

永遠のアイ

ウイルス、という名の幽霊であってほしい。わたしも生霊として0と1の世界で彼と再会することを願ってやまない。

 

レモンの目

めちゃくちゃに怖い。シンプルに怖い。どちらにせよ怖い。でもやっぱり最初から狙っていそうなのでストーカーの方が怖い。

 

ごしょうばん

なんて皮肉なんだろう。戦が終わって豊かな時代になった分、ごしょうばんにとっては貧しくひもじい時代になってしまった。ごしょうばんが望んでいるのは「本能や命と秤にかけても負けないもの」だったから。有り余るほど食べ物があろうとも、そこにはごしょうばんの食べたいものはなくなってしまった。最高の皮肉だ。

(もちろん戦が良いと言っているのではない。戦や飢餓で死ぬ人間を出さないことと、フードロスを見過ごすことは違うので。この視点でそれを描いているのがすごいし、めちゃくちゃ皮肉で良い。ごしょうばんが生まれないことが、一番良いのだ)

 

Still love me?

温っ…!!!!!!中盤まで気付かなかったしなんなら付き合ってるのかと思ってた…

そんな前かあ、とか、思い出から消える日はない、とか、当時小さかったけどでもあの映像は覚えてるな、とか…しんみりしちゃった。

「好きか?」って聞いて、変わらずにずっと「うん」って返してくれる存在にずっと救われてきたの、めちゃくちゃ良いな…「永遠って、案外簡単やったりして」と「それがいつの間にか高く頑丈になって俺を寄りかからせてくれてる」が呼応している…

 

BL

meet,again思い出していた。半永久的に生きられるのに、相手に思われていないと怖くて生きられないのも、相手にずっと大切にされていたにも関わらず何も気付けないのも良きでした。

情緒の育っていない天才、厄介すぎるね。学生時代日本史の先生が理系の仕事は技術開発、文系の仕事はその技術を正しく使うための法律や社会規範の制定、みたいなことを言っていたのを思い出した。情緒や倫理の担当。ニンの方がそれは得意だったはずで、でもそれをシサクを止めることには使わなかったんだなあ…

タイトルのBLが美しい嘘、なのめちゃくちゃ美しくて最高…

同性愛が許されないところで育って、ずっと側にいたけれど伝えられずに、しかもシサクはずっとAIの人格を好きで…ニンはよくそれをずっと見守ってきたな、と思うとともに、多分、シサクには言っても無駄というか、届かないな、と思っていたのだろうな。情緒が育っていないから。リピカの言うように、心が子供のままだから。わかりきっているから伝えなかっただろうし、だからこそ、心臓が痛んだら、という賭けに出たのがしんどい。寂しくなったと最期に会いに来るのがせめてもの誠意であり、意趣返しでもあったんだろうな。

リピカの「昔好きだった、と、今は好きじゃない、は厳密にはイコールではない」「自分がどうBLを好きだったか忘れてしまいつつある」がめちゃくちゃわかるなあ、と思った。昔はBL好きだったけど今はもうそこまで、なのもあり…もちろん他のことも。

これだけ3回読んだけど、美しい嘘をついていたニンにどうせなら最後まで騙してくれればよかったのにというシサクも、シサクの作った美しい嘘の世界を一人でずっと旅するニンも、切ないな。シサクが一人で、ニンのクローンを作るという誘惑から逃れるように旅に出るの好き。自分の作った美しい嘘の世界をニンと同じように一人で見ながら、旅をして、旅路の果てで、願っていた最後の和音を聞けるといいな。

最後にみんな一人になるのと美しい嘘、がヘキすぎて噛み締めている…ダリアの蟻…

 

sofa

モノ視点良い!一目惚れでソファ買うって良いね。

舞台ちょっと今から仕事やめてくる③

千秋楽2階1列下手

推し定点メモ

・やっぱり幕開け走ってきて青山の手を掴むところ必死な顔をしている。今日は救いたい、に見えたな。

 

 

・「酷い男やわぁ~」の女子ムーブ可愛い。ヤマモトちょいちょい女子ムーブするし振れ幅が大きくて緩急激しいけど、それがちゃんと一人の人間として説得力あるの不思議だな。ヤマモトに集約してる。

 

・「純って呼ぼうかな」と言われたときの傷ついたような顔が痛々しくてしんどい。もういない双子の免許証を持ち歩いて、その名を名乗って、死んだ双子と一緒に生きるつもりだったんだろうか…いつまでもしんどいだろうに…

 

・「何よりは簡単なわけ?」と尋ねるシーン、目元が影になるライティング最高…その後のホームでフラフラしてたら落ちるねんぞ、の優しくて哀しい笑顔は明るくなってたはずなので本当に…あのシーンのライティング良すぎて引きで二人とも見える画角で収録して欲しい…頼む…ヤマモトが責めるでもなくやわらかくゆっくり語りかけるのめちゃ好きだったなぁ。息がつまりそうなほど優しくて苦しかった。きっとヤマモトが一番しんどかったろうな…

 

・青山に電話して、「もう大丈夫だから」って言われるとき、声はずっと優しいままで、表情だけが強張っていくヤマモト、めちゃくちゃ怖かっただろうな…間に合ってよかった…ここの青山の「ストーカーかよ」原作にはないんだけど、最後に呼応するのがめちゃ好きだった。なんでここに?、助けに来たよ、が聞こえる気がした。この辺の青山の心情描写言わせるわけにもいかないから台詞しかないけど、めちゃよかったな。

 

・屋上の説得シーン、やっぱりヤマモトが涙声なのが…来るものがある…僅かな音も立てないよう刺激しないようゆっくり近付いてって…「こっち、向いてよ」がもう懇願にも哀願にも聞こえるほどに、本当に優しくて、優しいから哀しい…手が届いてよかった。今度は。青山がしゃがみこんで泣くのをなにも言わずに側にいながら、そっと右手で青山の肩に触れつつ、扉との間に入って素早く閉めるの流石の早業。ちゃんと肩に触れているところ好き。鼻の頭から目頭辺りが赤くなってたの、やっぱり泣いて…

 

・青山に人生誰のためにあると思う?と言って「お前?」と返されたときの気持ち悪…のトーンで深刻な場面なのに笑っちゃったし、結構笑ってる人いてびっくりしちゃった。なんとなく、よく真正面からそんな恥ずかしいこと言えるな、って呆れつつ茶化してる感じがした。(原作読んだら友達いなくてのあとにヤマモトが呆れた顔する描写があったので、私の記憶が前後している可能性もあるけど)

一昨日はそんなにだったと思うんだけど今日は他のシーンでも結構笑い多かったな。

 

・屋上で青山が留守電聞いてるところ、片膝抱えて多分救えなかった片割れを思っているだろう悼むような、でもどこか慈しむような、優しさと哀しさが混じった表情が良すぎる…

見え方は受け手によるものでもあるとは思うけれど、色々な感情を綯交ぜにした複雑で繊細な表情だな、と思った。私は芝居は素人なのでよくわからないですけど…そう見えた。

 

・アイスコーヒー寒くないの?と言われて小さく「好きなのぉ…」と返すときの言い方が可愛かった。ここのアドリブ毎回可愛いの何??

 

・青山に「山本…優!」 って呼ばれたときの驚きに緩やかに焦りとか怯えとかが混ざっていくの、嫌われるくらいならと離れる、になるヤマモトだった。めんどくさい男最高。試し行動みたいで好き。原作の人生かえてくる方でもサクッと五十嵐の前から消えるし、患者ではないから深入りしない、というだけにも思えなくもないけど、なんとなく親しい人間を作らない、の方な気がしている。大事なものなんかない方が失くさなくてすむもんね…

 

・2年後に再会したときに驚いて白衣を握りしめてるのが本当に会う気がなかったんだろうなと思えるし焦りを感じられて良い。情けない顔で笑うの心臓ぎゅってなる。再会してくれてよかった。

 

・カテコ終わり二回目階段上から捌けて、影で手を振ってるのが見えたのかわいかった

 

人間は人間を救えない、とは思っているんですけど、人間が人間を救う話は大好きなので、ヤマモトが救われて本当によかった…

青山ももちろんヤマモトに救われているんだけど、それは命を救った方で、ヤマモトはなんというか心とか人生というのかな、生きてはいけるけれど…というところを救われたと思っている。

どちらも救ったことには変わらないけれど、個人的に後者の方が難しいというか、理由がある自殺より理由がない(わからない、複数ある、衝動的に、とかそういう…あれ…)自殺の方が止めようがないような気がしているので…

仕事を辞めるだけで回復する人もいるだろうけれど、トラウマや鬱になってる可能性もあったり、一度折れると折れやすくなるみたいな話も聞くから、青山がそうだったらかなり長期戦だったよね…

ヤマモトは臨床心理士だしまあその辺は流石に大丈夫だと思いたいけれど、あのとき目の前で青山に死なれてたら本当にトラウマどころじゃなかったのでは?というか目の前じゃなくとも絶対にまた無力感に襲われていたよね、と思うと本当に…死にたい理由が仕事だったから救えたようなものの、そうじゃない人間を救うのは難しかったんじゃないかと思っちゃうよ…

自分のやっていることはエゴで自己満足じゃないのか、と自問している辺りも本当に危うくて怖い…一度は救えた人間が離れたところで死んでたとか言われたら壊れてしまってなかっただろうか…言ってしまえばまあエゴだけど、死ぬのもそりゃエゴなので…どっちがとは言えないけど遺された方は堪ったものではないよね…

青山に出会ったのは偶然で、だから患者とは病院で会うけどお前は違ったから、と失踪したけど、患者としてじゃなくて友達として救ったから、青山も今度は自分が救いたい、になるんだよね…

サバイバーズギルト(とは厳密には違うかもだけど…)に苦しんでいることなんて、病院の人も知らないんじゃない?青山が友達として接してたから見えたことだよねきっと…

純って呼ぼうかな、と言ったときの傷ついたような表情を見逃さなかったり、本人には言わずわざわざ実家まで行ったり…友達じゃなかったら、知ることもなかったし救いたい、にはならなかったから本当にあの出会いは運命だったよね、お互いにとって…

幸せに生きていきました、とはならないものだけれど、生きているうちにちゃんと幸せを感じられるように、ヤマモトがなってくれたら良いな、きっとなれるだろう、と思えたので本当にありがとう青山…

基本的に光属性というか、根が真っ直ぐで前向きで明るい人って感じだったな青山。最後五十嵐先輩に謝られても、辞めるからとはいえあっけらかんとしすぎててちょっと怖いくらいだったけど。あそこで許される方がつらくない??自分がより醜いものに思えるよね…と五十嵐先輩に同情してしまった。原作と告白のタイミングが違うせいもあるけど。

 

 

梅津さんカテコで続編もあるので~とは言ってくれたけど続編の内容一部練り込まれてるんだよなあ…というかやっぱりそれも含めた演技ですよね??

原作読んだ限りでは本当に気のいいあんちゃんってイメージだったのに、一回目の観劇中ずっとヤマモトの表情が慈愛に見えて動揺してて、続編読んだらやっぱり慈愛じゃん!!!!!となっていたのでまた情緒をめちゃくちゃにされた…

推しの悲しみとか苦しさとか寂しさの滲むキャラめちゃくちゃ好きだなあ…ヤマモトに推しをキャスティングしてくれた人本当にありがとうございます…最高でした…

 

 

あとそろそろいいかなと思うんですけど、推しの元気の出るメッセージが「絶望するな」「諸行無常」なの、本当に刺さりすぎて呻いた。

初回観劇後になんも身構えずに開けたので「絶望するな」が出てきたときは泣くかと思った…

元気が出る、とは少し違うけど、沈んでるときに上向けも大丈夫も効果はないので…底まで沈まないように、戻れないところまで行くな、とギリギリのとこで押し返してくれる感じが好きだった。タイミング的にもものすごく。

そうは言っても不変のものはないので…そも無常観とか仏教好きなので諸行無常という言葉が好き。ヘキを的確に刺される怖い。狙い撃ちされてると言われた方がまだ安心するレベルで的確すぎて笑う。まあでもおすすめ本に老子(だったよね?)入ってるしな…ヘキなはずだよな…

舞台ちょっと今から仕事やめてくる②

続編「ちょっと今から人生かえてくる」読んでの感想を書こうとしたのですが、舞台の推し思い出して情緒が狂って推しの話しかしてないです。長文ツイートだと思って読んでください。

 

ヤマモト~~!!!!!!!!!!!

慈愛!!!!!!!!!!!聖母マリアナイチンゲールか天使ですか!?!?!?!?!?無理です無理です助けて!!!!!!!!!!!

あまりにも……あまりにも最初の短編でのヤマモトの描写が……「ふわりとした声と同じように、ふわりとした人だった。いかにも人のよさそうな、慈愛に満ちたような瞳をしていた。」って舞台での推しの顔思い出して情緒が狂ってる、絶対この辺も踏まえた上でのあの演技ですよね!?!?それはズルすぎない死人が出ますが!?!?そんなん好きすぎるじゃん~~!!!!!!!

原作の時点でヤマモト好きだったんだけど、推しの演技見てからより好きですねというか推しのヤマモト良すぎて無理なんですけど怖いよ~~予想以上に優しい顔してて慈愛じゃんとか言ってたけど続編読んだらもう確定で慈愛じゃないですか!?!?私の幻覚かと思ってたというか幻覚であってほしかったんですけど!?!?

本当に本当にずっと優しいお顔してて…

ヤマモト、そこまで柔らかいイメージなく読んでたので、舞台見てめちゃくちゃ柔らかくてびっくりしたんですけど、でも続編読んだらそりゃあの演技になるよなって感じの描かれ方で…

それはそうと役者さんに言うことでもないのかもしれないのですが、慈愛を慈愛とわからせる優しいお顔すごすぎないですか???あまりにもずっと本当に優しいお顔をされてるから本当にびっくりして…すごい…

 

記憶にないと思ってた舞台の結末、こっちの話だったんだ!?!?!?二冊とも読んでおくべきだったー!!でも読まなかったおかげで慈愛に満ちた推しを浴びて狂えたのでよし!!!良くない!!!!!!!

舞台見てから小説読むと舞台にイメージが寄せられるんだな、という面白い体験をした。

舞台ちょっと今から仕事やめてくる

4月28日(金)前方左手

 

走ってきた時のヤマモト、めちゃくちゃ深刻な、怖い顔してて、救いたいというよりはむしろ救われたい、という感じだった。あそこで、目の前で死なれたらもう自分の方が壊れてしまいそうなくらいで……助けるために腕を掴んでいるはずなのに、助けてほしくてすがっているように見えた。原作は青山の視点でしか描かれてないからそういう描写はないけど、結果的にヤマモトは青山に救われるから、あの表情がものすごく好きだった……推しの解釈なのか演出家さんなのかわからんけどあのシーン忘れられない……

 

その後のヤマモトはもうずっと、本当にずっと、あまりにも優しい慈愛に満ちた顔してて……救いたい、を隠して(いや隠してないからあれなんだろうけど)あんなにずっと優しい顔をしていたのかと思うとなんかもうすごいグッと来ちゃう……原作を読んだときに、居酒屋で昔話しようって言ったヤマモトが「はっとするほど優しい目をしていた」って書いてあって、それを推しで見るのが楽しみだったんだけど、終始優しい目をしてて……本当に本当に大事そうな目をしてて、ヤマモトは青山にずっと半身を見ていたのかもしれないなと思った。小説では思わなかったので推しの演技による効果ですし推しみぞ知るところだけど……

青山に死のうとしてただろう、と言うところがずっと哀しそうな笑顔で息ができなかった、あんなときでもずっと優しい声なの本当に……ヤマモト……

 

屋上でもずっと優しく語りかけて、刺激しないようにゆっくり近づいてて、息が詰まりそうなくらい優しくて……少しでも感情的になったら、驚かせたら、バランスを崩したら落ちてしまうかもしれない。自分だって怖いだろうに、涙声なのに、ずっと優しく語りかけるのしんどかった……トラウマになるどころじゃないだろうなあ……飲むようになって、明るく元気になっていたのに、連絡つかなくなって心配だったろうな……気づいてくれて良かった……無事に連れ戻せて座らせて、素早く扉鍵まで閉めるの危機管理ができていて流石ですね先生……

二人で階段降りるときヤマモトがちょっと目尻拭っててて……本当に良かった……

 

多分カフェで青山に幽霊は~て言われた後?の「おかわりほしい」はアドリブだろうなかわいかったな。

ヤマモトはちょいちょいウメツじゃんwとなった。

 

青山が病院来たときのヤマモト、それこそ幽霊でも見たかのような驚き通り越して怯えとでもいうような顔してて、本当に二度と会うつもりはなかったんだろうなあ、どこかで幸せに、とまでは言わないけど、もう死のうとなんかしないで、生きてさえいてくれれば良かったんだろうなあ……なんて身勝手な男なんだヤマモト!?青山に怒られるのも当然だなヤマモト!!見つけてもらえて良かったなヤマモト!!いやマジでヤマモトが救われて良かったよ……ありがとう青山……

片割れを亡くして無力感できっとぐちゃぐちゃになりながらも遺された痛みを知ってしまったから生きるしかなかったんだろうな、でもやっぱりずっとしんどかったんだろうな、もしかしたら、きっと、ヤマモトにとっても青山といる時間が一番楽しかったんじゃないかな……

いやなんで手離したの!?友達のままでいたかったから離れるってなに!?臆病可愛いか???好きだが???青山ほんと見つけ出してくれてありがとうな!!!

 

 

観劇後に配布された元気が出るメッセージカードが推しので、もう何度も何度も私にできることなんかなかった、となにかできていれば、を繰り返して、ヤマモトを見ながらまた思い出していたので、見終わったあとにもらう言葉としてあまりにも優しくて泣きたくなった。泣けるとこじゃなかったから我慢したけど泣いてたら多分今日一番涙出てたし止まらなくなってたな…あんまりも毎回的確に刺されるので怖すぎる…推しに救われたくね~~と思ってたのに不意に救われてしまったのでだめでした。

 

 

それはそれとして、飛び降りシーンまで見られると思ってなかったんですけど……見たときはちょっと流石に息が止まったけども、でも、どういってもあれなんですけど……ヘキでした……

片割れ亡くしたキャラ大好きすぎるので推しで見るのめちゃくちゃ楽しみにしてたけど、最高でしたね本当に……優しい目も、悲しそうな笑顔も傷付いた顔も、見たかったヤマモトが、というか見たかった以上のヤマモトがいた……推しが出なければ見てなかったし読んでなかったけど、推しがやってくれたのがめちゃくちゃ最高なキャラだったなあ……ヘキ……

 

ヤマモトの方がヘキで感情移入しやすかった身としてはどうしても外側からお芝居を見ている感覚が抜けなかったけど、おかげでパワハラもしんどくならずに見られたな。原作が青山の一人称視点だし、説明台詞もあってストーリーテラーっぽかったからより感情移入しづらかった気もする。

ヤマモトを見てる方がしんどかったな、半身を亡くしてるのを知っているから…しかも自ら…ずっと優しい顔をしているからこちらが落ち着かなかった…どんな気持ちであんなに優しい顔をしていたんだ…思い返してもしんどい…ヤマモト…めちゃくちゃ良かったなヤマモト…

 

演出面白かった、あんまり見たことがないタイプというか初めて見るタイプだった。アフトで町田さんがご一緒したいパフォーマーさんに声をかけた、初舞台が日本武道館でダンス、みたいなことを仰っていたからから気になって調べたらジャニーズJr.の方なんですね。ダンスも歌もお好きなわけだ~

焦っているような急かすような責めるようなタップがすごい臨場感あって面白かったし、青山の心情に合ってて緊張感とある種の昂揚感もあって、不穏なのにタップだからちょっと楽しめる、みたいな塩梅でしんどくなりすぎなかったのはこの辺もあるのかな?と思った。

バイオリンもピアノも歌声も素敵だった~音楽わからないので生演奏豪華~!しか覚えてないですけど…ミュージカルともまた違った感じで面白かった!しんどいところはしんどいし、でも場面転換とかで楽しませていただいて、本当に面白い演出だった。

 

 

アフトの推しメモ

登場時、腕さすって口だけてさむ…って言ってた気がする

人生で思いきった決断は?の質問に、オーナーがヤバいやつだったバイト先にマンションの踊り場でお腹痛い演技して休んでそのまま辞めた話をする推し。それ本当に人生1か!?面白いと思って言ってるだろ!?ってしゅんりーさんに突っ込まれてた。

途中また右だけ腕捲ってたからしゅんりーさんに殴り込み行くの?て言われていた。

制服返しに何食わぬ顔で行ってバックヤードに置いて帰った、というのが妙にドライなバイトって感じでリアルで笑った(推しの話は話半分で聞いてるので若干信じてなかった)

橋本さんの部屋にあるものマットレスと服以外全部捨てた!って話に膝抱えて顔埋めて笑ってたし、刑務所じゃんって言ってた推し。

 

初仕事のギャラとか思い出は?で西船のコンビニ(セブン)でやっす!と思ったのは覚えてる、て言った後にこの舞台いくらなんだろうな~とか言ってた。最近お金の話多いね。

あまりにも世知辛い話をするからしゅんりーさんに夢がない!って言われてたけど推しに夢見てないし現実的で良いよ、あんま言われるとお金落とさなきゃ…とこれ以上は無理だが??がいっぺんに来て首が絞まるので勘弁してほしいけど。

ちょっと今から仕事やめてくる(小説)

ヤマモト、出会ったときは「お前」しか言ってないから離席中に青山の鞄漁ったかなんかしたんだろうな~それかトイレ着いてったか…

昔の話しようって言ったときに「はっとするほど優しい目をしていた」でグッと来ちゃった、推しで見たい…!!

推し、クール系とか冷たそうな役似合うお顔だと思ってるけど、優しい顔するとめちゃ柔らかくなるも好きなんですよね…見たい…インタビューでヤマモトのこと聖人って言ってたのがうわーーーとなったのでめちゃ楽しみ…救いの話大好きなので…

ここまでしかまだ読んでないのになんで感想書き始めたんだろう、先ほどの一文にグッと来すぎたからです。

 

ツイッターで呻いていたけどこの先は特に控えてなかったのでざっくり感想(ネタバレあり)

 

上の時点でまあ救済なんだろうな、とは思っていたのだけど、読み進めながらちょくちょくこれを推しがやるのか……推しに救われたくない……と呻いてしまった。しかし既に手遅れなのだった。

ヤマモト、最初から好きだが?と思ってはいたものの話が進む度に私の性癖積んでくるからそんな都合の良い話あります??て感じだったし本当に最後まで私に都合が良すぎる話だったウケるこれを推しがやるのか……そんな都合良いことある??

 

名前分かった件は予想通りでした!

幽霊なのか?のとこはなんも考えずに読んでたので、双子説全然気付かなくて実は生きてたとか?と思ったくらいでした。実家行った辺りでも気付いてなかったかもしれん。生死はどうでも良かったので…

推しがニコ生で言ってた「生きてなくても偉い」を思い出していた。

五十嵐先輩はめーちゃくちゃ怪しかったね!誰かパソコン触れた人いないの?ってヤマモトが聞いててほんとそれ!!詰めて!!!となってしまった、多分そんなことしても青山が追い詰められていただろうけど。

推しがインタビューとかで言ってるけど、パワハラ場面とかはちょっとしんどいものの、基本的には意外とポップで読みやすくて助かったな。文体のおかげで青山目ぇ覚ませ!!!人間育てられない会社がクソやぞ!!!だいたいまともに寝てなきゃ育つもんも育たんわ寝る子は育つ言うだろ!!!の気持ちで読めた。あれ重々しく書かれたらゲンナリしちゃうな。

自分が勤務時間的にはホワイト(これは私が自分で調整して残業してなかっただけ)だけど人間関係というかまあお局が幅利かせてるとこを脱して、良い職場に転職したから気楽に読めたけど、そうじゃなかったら私も今から仕事やめてくる!!!!!て言いたくなっただろうな~

 

しかし推しが、じゃなかったヤマモトが亡くした半身を思っているところ、ちょうど一穂ミチ先生の『meet,again』を読んだ後だった(しかもなぜか栫に推しみを感じた)から、推し栫もやって!?となって二重に勝手に死んだ。

 

えいらぶ舞台挨拶メモ

メディアが入ってないからかめちゃ緩かった
登場~自己紹介
ひろきさんが「アットホームにいきます。好きな食べ物はスイカです」みたいに締めたので荒牧さんが「好きな寿司ネタはネギトロです」と乗り、次の和田さんが「わからんくなった!どっちしたらいいかわからんくなった!」みたいな突っ込みを入れ、「好きな食べ物はベーコンです」から自己紹介。
続く梅津さんは「好きな人間のタイプは距離感がちょうどいい人です」と一人方向性が変わる。荒牧さんが「これくらい?」とぴったりくっつく。梅津さんにそのノリで行けるの荒牧さんくらいだよ…可愛かった…

推しそんなに好きな食べ物あるイメージないから(一食だしな…)まあ納得感ある回答だし、先日のツイと合わせて馴れ馴れしくされて嫌なことあったか??となった。牽制かな?と思ってたら秒で距離詰めてた荒牧さん強すぎる。

 

撮影エピソード/みどころをそれぞれクロストーク

梅津さんが「みんなで寿司食べに行くシーンが~」て言うから、またお得意の寿司ネタだな、と思って突っ込み待ってたら意外と誰も止めなくて和田さんが漸く「お前のボケわかりづらい!」って止めてた。そんなシーンあったかな~?みたいな感じでみんな聞いてて笑った。マジトーンで行くからわかりづらいんだろうけど梅津さんが寿司と言ったらもうボケくらいの気で聞いちゃう、ロクマチのせいで…鉄板ネタだよね

 

荒牧さんが「消えたことないから難しかった~」とボケ、和田さんが消えたことある、みたいに乗り消える様を披露(ちょっと滑ってた?)。

更に梅津さんまで僕とひろきさんもありますよ、と乗り(極上文学?)、二人ならんでせーの、で消える演技。ひろきさんは顔をくしゃっとする感じで悲痛な感じで、それ消える人を見てる方だろ、と言われてた。梅津さんはうぉぉみたいに口曲げて溶けていくような感じの変顔(?)。和田さんから「それいつもお前がやってるおじいちゃんやろ」と突っ込みが入る。それはそう。

 

最後に一言で佐藤さんが「長義に惚れる」って言ってたけどめちゃくちゃわかった。長義の第一声も、終盤戦闊歩する長義も、最後に名前を呼ぶ長義もめちゃくちゃかっこよかった~~

 

舞台挨拶笑いすぎて喉がらがらしたしおもろかったから昼も見たかった~メディア記事動画出てきたので見ます。

ミュージカルスパイファミリー

3月21日(火)夜公演(おけぴ、チケットぴあ貸切)

最後列センター

3月27日(月)昼公演

1桁後半上手側

 

戦争の音に毎回ちょっとドキドキする。リアルすぎることもなく、軽い音ではあるのだけど、不安を煽る音。それが戦争の音だと知らなければ気にならない程度な気がするのは子供も見る公演だからなのか、ホームコメディだからなのか…

SPY×FAMILYの電飾が消えて子供が泣いて「人はみな誰にも見せない自分を持っている」から始まるのめちゃかっこいいけど

 

原作最初の3話以降未読だし初手の任務がヅラの写真とかなので気軽に見るつもりでいたのだけど、黄昏が子供が泣いていると無力だった自分や誰も助けてくれなかったことを思い出す、子供が泣かない世界を作りたくてスパイになった、というところでグッと来てちょっと泣いた。

いつの時代も子供は幸せじゃなきゃいけないと言っていた夢水清志郎が大好きなのでロイドフォージャーも大好きになった。

 

原作未読とはいえ家族がアニメ見ていたのを聞いてはいたのでなんとなくのストーリーは知ってたし、たまたまアニメ見たところをやっていたのでお話自体は試験とひったくりとお城以外はほぼ知ってるところだった。

 

ロイドさんが片手が塞がっていたら敵襲に備えられない、と言いながらもその後アーニャと歩くときは必ず手を繋いでいたり、ちゃんとしゃがんで目線を合わせるようにしていて、どんどんパパになっていくのがもうたまらないですね。ひろきさん細く見えるけど軽々アーニャ抱っこしててはわ……となりました。アーニャめちゃ小さく見えて本当にどう見ても4,5才…がぴったりすぎてびっくりした。お歌も躍りもお芝居もお上手ですごい…アーニャが出てくるとついつい目で追ってしまって可愛くて可愛くて、この子が泣かない世界を、という気になるし、面接で泣き出したアーニャが痛々しくて、任務そっちのけでちゃんとそこで怒ってくれるロイドさん本当にもう良いパパだよ…スパイ失格なのかもしれないけど、父親失格にはならないんだな、と思った。スパイは誰も信じない、と言いながらヨルさんの信じましょう!に絆されていたりして人間味出てくるの良き…(とはいえ物語序盤でアーニャを引き取ってるからわりとずっと人間味はあるけど)

ヨルさんが何回でもココア拭きます!って意気込んでいるのにちょっと引きながら困ったように笑っているお顔にめちゃくちゃ愛情が滲んでてロイドさん~~!!!!!!(言葉にできない)(死)

一人で生きていける/一人で生きてきた/一人で生きるしかなかった ような人間が人間に出会って変わるお話が大好きなので、それぞれ誰にも言えない顔を持った三人が家族になっていくの良すぎた…あたたかくて優しい家庭が眩しすぎる…

任務のためにアーニャの機嫌を損ねたらいけない、はあると思うけど、気を逸らしたりごまかしたりせずに、お城での助けられごっこをやったり、組織の面々の前でやるのか?となりながらもアーニャ姫救出劇を演じるの、優しい…

「全てはより良き世界のために」の大義名分のもとに振るわれる暴力的な正義ではなくて、本当に優しい面が多いのが良かった。

スパイも殺し屋も正義ではないし綺麗なだけのお話ではないんだけど、でもあたたかいお話だったな~

21日はちょっとひろきさん歌いづらそうな気がしたのだけど、27日は安定してた気がする。ひろきさんのお歌低音が艶っぽくてめちゃくちゃ素敵だった…なんだろう、哀愁にじむ感じのお声が、孤独で孤高なスパイという感じで…めちゃ良かった…なんといったら良いのかよくわからないけど、本当にキャラクターの説得力がすごいんだよね。“いる”と思わせるとかではなく、本当にただそこに“いる”みたいな。それでいて、他の人が歌ったりしてるときはスパイは目立たず、のように気づいたらスッと視界から消えてたりして。音が出るものや動いてるものを見るのは人間の習性ではあるけど、わりと定点してはいたけど、気づいたらスッと視線を外してしまったの、撒かれた気分になってスパイだ!となった(私が目を離しただけではあるけど)

 

 

くるむくんユーリ、切々とどうして姉さん…結婚したことを教えてくれなかったの…と歌ってからのクソ野郎なら許さないの狂気じみた敵意むき出しの表情とか、国家保安局のときのバチバチにかっこいいダンスと証拠出すの忘れてました~☆の可愛い笑顔と尋問してるときの威圧感とか、とにかく出てくる度にギャップがすごい、温度差がエグい。

二幕は抱腹絶倒で、家に遊びに行ったときの怖い顔や、姉さんはおっちょこちょいだな~~のデレデレ顔や、幼い頃の姉さんと結婚する!のにこにこ顔や、姉さんとの時間を邪魔しやがって!!のキレ顔や、手が触れただけで赤くなる二人に「えー?」というときの白けた声や、キスしてみろと煽って、ヨルさんが酔って据わった目でロイドさんにキスしようとしたときのめちゃくちゃショック受けてる顔などなど、本当にいろんな表情を次々見せてくれるから、面白くてずっと笑ってた。くるむくんの表情筋もこっちの腹筋も忙しすぎる。ヨルさんには姉さん♡姉さん♡な甘えっ子顔で、ロイドさんにはおのれロイド…な憎々しい顔になるの本当に本当に可愛い弟キャラで最高だった…

出張の話をするときの仕事できる男感も良かった~!

あんなに全力で叫んだり顔芸したりする役のくるむくん新鮮でめちゃ面白かった!

そして国家保安局のときのダンスと歌めちゃくちゃかっこよかった!!!相変わらずどころか更にお歌パワーアップしててすごすぎる…低音かっこよすぎる~~

 

 

唯月ふうかさんのヨルさん、ふわふわしたお声があの天然ぽややんヨルさんによく似合っていてめちゃくちゃ可愛い~!そしてお歌が上手い!歌うま姉弟!弟を安心させたくて、と歌う声がどこまでもどこまでも伸びていきそうなくらい伸び伸び歌っていらして素敵だった~!

あのキャラクターのお声として説得力がありすぎてすごい。結婚したことを伝えるのを忘れていたのを忘れてました!に説得力持たせられるだけの天然ふわふわボイス強すぎる。ユーリが折れて納得してくれた、じゃなくてマジで納得した!と思わせる力のある無茶な誤魔化しだった。でも殴打療法を信じるくらいのロイドさん曰く「アホ」なヨルさんの弟だしな…という納得感があり大変姉弟可愛い。

 

アーニャ二人とも元気で可愛くてお歌上手くてすごかった~!!もうアーニャ出てくると視線が持ってかれるんだよね…健やかに育ってほしい。

 

 

ハピ婚追記「無色透明な沼」-普通とはなにか-

仏教の話をしています。特定の信仰はないし、どちらかといえば無神論者(でも神社巡りとかは好き)ですが、思想哲学として仏教や禅の思想は好きです。

素人の解釈なので正しい内容は是非本やお寺さんで確認してください。座禅や写経などもおすすめ。

 

度々「普通」ってなに?という話を見たし、作中の「普通」については2/25にしたけど、そう考えるに至った思想哲学の話。

ハピ婚つらかった、という意見を見て推しが解説してくれていたのでそれ以上言うことはないし、野暮かなとも思うし、推しの説法聞いたらみんな救われただろうけど、現時点での私の「色」の解釈として。

しかしあれをすらすら答えられる推し、普段から考えているんだろうな、というのが伺えて大変信頼できる。

 

春彦が「無色透明な普通という沼」と言ったとき、私はずっと最遊記の三蔵様が般若心経について解説してくれているドラマCDのことを思い出していたし、春彦がやるべきは仏教だな、と思った。

というか固定観念に苦しむ人間は須く仏教やるか最遊記を読んでほしいんですけども。

 

仏教には「色(しき)」と「空(くう)」という概念があり、この「色」というのは、目に見える物質や現象、脳がそこにあると認識しているもので、「空」は目には見えないけど、確かにそこにある、文字通り空気みたいなもの。

ただし、この「色」というのは、自分が見えているものであり、他人が同じものを見ているとは限らない。逆もまた然り。

人間や物質が存在する以上、無色透明になんかなれるはずがない。色即是空空即是色、は色があるから空があり、空があるから色がある。

空気は目に見えないけど、風が吹けば、煙が漂えば、その動きは見える。

無色透明になんかならなくて良い、好きな色を纏って生きろ、というのがざっくりとした三蔵様の説法で、まあこれは最遊記という作品の、三蔵様の解釈だから、違う考え方もあるだろうけど。

(※無色透明になんかならなくて良い、というのは仏教において色は執着で、執着を捨てないと解脱=輪廻の輪から外れて成仏=悟りを開けない、と言われているため。この辺めちゃはしょってるので詳しくは調べてください)

私は執着やら欲が捨てられない、を肯定してくれるこの解釈が好きで、この解釈に拠って生きているので、ハピ婚でこれを思い出していたんだよね。

ハピ婚初見でめちゃくちゃ好きだったのは、元々こういう思考だからつらくなかったのかな、というか、こういう思考になったから春彦を客観視できたのかなと思った。

いやつらくなかったわけではないし、むしろわかる、とめちゃくちゃしんどくなったけど、でも割り切れるというか、痛みの元がわかっていた、という感じだろうか、春彦の言ってることは正直よくわかるな、おぼえがあるな、と思ったけど、今の私の痛みではなくて過去の痛みを懐かしく思うような感覚。少なくない人が思春期に通る話かな、と思っているし、現在も踠いている人もいるだろうけど。

 

自分が何者でもない、何者にもなれない、は誰しも思うことはあるよね。

でも自分が自分をなにもない人間だ、と思ってしまえば、それは自分の中では真実になってしまう。

他人から見たら「普通」だろう、が春彦が自分に見た「色」だった。実際他人からどう見えていたか、は別にして。

春彦はそこで他人から「特別」に思われたくて奇人変人を演じるけど、でもそれってやっぱり春彦の思う「特別」の具体化にすぎなくて、しかもバレづらいだろうところを選んで「それっぽいこと」をしているんだから、視点を変えれば(カラクリを知れば)それって全然「特別」ではないよね?となるし、だから滑ったのでは…なんだけど。空っぽなのわかってるじゃん…

もしかしたら、むしろ春彦が「普通」でしかないと切り捨てた曲の中に、誰かに届いて、広がって、認められる曲があったのかもしれない。500曲も作れるって、全然「普通」じゃないしね…

でも、春彦には自分の色が見えていなくて、無色透明な沼で溺れてしまっていた。溺れていたから見えてなかった、が正しいのかも。

 

春彦は自分を空っぽ、と言うけど目に見えないからなにもない、ということはなくて、そもそも人がいる以上は「空」があるというのが仏教の考え方で。

この「空」にどんな「色」をつけるか、は環境要因もあるから、「特別」扱いの弟を見て、自分にはなにもない、になってしまったのかもな、と思ったりした。

下の子ってただでさえちやほやされるし、上の子は急に放り出されるから、見てくれなくなる、も「特別」な才能だけじゃなくて、そういう些細だと思われている社会通念のせいで、自分のことが見えなくなってしまったのかな、と。

でも自分の目に見えるもの、思うことが「色」である以上は自分次第でしかないから、他人に「特別」に思ってほしい、となってしまうと結局そうならなかったときのギャップや、「特別」じゃないから「特別」を演じることで自分自身では「普通」を痛感してしまう、という自家撞着を引き起こしていたように思う。

それに耐えかねて未知さんに打ち明けて、「普通」な自分の話を聞いてもらえて、漸く少しは自分が見えてきていたところだったんだろうな…じゃなかったらあの電話に「普通に生きたいです」と答えたりしなかったんじゃないかな…

演じ続けるといった理由も今更騙してたとは言えないし、また見向きもされなくなるくらいなら、といった感じだったのも、やっぱり根底に特別扱いされる弟と、見てもらえない自分への寂しさがあったような気もしちゃうな…

今後は自分て選んだみちで、少しでも多く良いことがありますように。

 

それはそれとして春彦にはノイズ般若心経みたいなのでバズってほしい。演じなくなったら売れた、みたいなご都合主義救済もあっても良いよね!

ついでに未知さん生存ifアンソロもください!

ハピ婚追記

Twitterログやらひそあな後感想やら追記していく

 

 

ハピ婚、「普通」に苦しめられた人間としては「普通」からの解放で好きなんですよね。自分が作り上げた「普通」からの解放であり、「普通」になれないことを嘆いたり「特別」じゃないことを嘆いたり人生それぞれ色々あるけど「普通」に生きていきましょうね、なのが。

 

私は文学だなって思ってみていたのだけど、物語のために人がいる、と思っているからなのかもしれないな…物語を通して春彦を描く、そのために周りの人物がいて、だから理不尽も不幸も起こる、みたいな…

人を描いたものは総じて文学ではあるし、そもそも文学の定義を問われると難しいのだけど、私は今は私とはなにか?を問うことが文学あり、文学とはなにか?を問い続けることそのものも文学かな、と思うので…哲学かもしれん。

禺伝の「物語は何故人の死や悲しみを必要とするのか」はまんま「物語のために人がいる」話じゃなければ出てこない台詞だと思うし、ハピ婚見てずっとあの台詞思い出していたので通ずるものがあると思っている。

 

ネガティブ感想はなかったんですけど、人の見てるうちにそういえば初日はおっさん話なげーよ、とミュージカルまだやるんだ…!?と思ったことは思い出しました。

マジで話長いおっさんはいたし、余興のマジック長いなと思ってたらセロが来て更に延びたときがあって、どっちも尺あんなもんだったから、めちゃくちゃリアルだった。練間さんの話もミュージカルも滑るようにしてたとひそあなで聞いて、逆に慣れてちょっと盛り上がってたのが想定外なのか、となった。

初日も拍手とか手拍子はしたかったんだけど、あの白けた空気が居たたまれなさすぎたからなので、狙い通りではあったんだな。

 

三人娘、岡島さんは赤いメガネとひっつめ髪のツンとした美人お姉様(多分経理)、まいさんは鎖骨下くらいのゆるふわ茶髪身長低め総務部(庶務系)、はるなさんは声太めだから体格良さそうでボブな感じのイメージ

 

春彦も未知さんも身内からバカって言われてるの、お人好しで真面目で優しくて損をしたり傷ついたりしてるけど、愛されてて好きだな

 

未知さんが春彦に感じた「諦め」が自分の人生を生きていくこと、なのかなあ…身近な人から「死にづらくするため」って言葉が出てるの、そんなに危うく見えてたのがなんか…未知さんが知ってれば良い、も本心だろうけど、演じ続けて生きていくのもしんどかったろうな、演じれば演じるほど、自分が「普通」であると気付かされて。

「普通に生きていきたいですねー」っていう電話に、「普通に生きていきたいです」って返してるの、そこで「いや特別じゃないと意味がない」って即答しない辺り、本音が見えなくなっていたんだろうな…未知さんが撮ってた映像の春彦穏やかだったな…

 

あの披露宴は、確かに「お葬式じゃないのに」だけど、でも、未知さんを思う会だったとは思うよ。

そもそも亡くなってから10日しか経ってないならお葬式すらできてない可能性もあるしね…今火葬場一週間は待つし…病院以外の場所で亡くなると、というか川で溺れてとなると捜査やら聴取やらも多少はあるだろうし…水死となるとご遺体は損傷激しかったりするけど、対面しているようだったな、1日なら大丈夫なのだろうか…着てた服と布だけだと思うんだけど…身元確認入ったということは籍はもう入ってるんだよな…

 

絶対両家から反対されてるだろうけど、それでもきっと未知さんのために、で無理やり開催したんだろうな…筒井さんは多分未知さんのサプライズを知っていたしご両親の説得とかで味方になってくれてたんだろうな…

みんなあの披露宴を「普通」じゃないと思いながらも、未練を晴らすために、と言われたら納得するしかないし、してあげたくもなるし…

流石に堂々と、とはいかなくて春彦の両親はお詫び行脚してたのだろうけど、結果的にみんなで二次会してて、やってよかった、になっているんだろうな。未知さんのサプライズのおかげで。

 

 

しかし「普通」の解釈を推し本人の口から聞けるの良いですね。あそこまで滔々と話せるの、普段から「普通」とはなんぞや?を考えている人なんだろうなと思えてめちゃくちゃ好きだった。

「普通」の定義を固めない推しやっぱ信頼できるし、固定観念やら価値観の押し付けに抗ってきた感じがして良き。あらゆる決めつけに抗って生きる推し、やはり推せる…

春彦は春彦の「普通」にとらわれていた、「特別」を演じるために選んでいたのは様式美みたいなところもあるので、それじゃ「特別」になれないのも道理だよね。推しの解釈助かる~~解釈一致してホッとした、ハピエンより好きだし大丈夫そうとは思ったけど推しといえど解釈違いはウッてなっちゃうので。

 

回を追うごとにじわじわ春彦後追いしそう…が強まっていったんだよね…未知さんの「死にづらくするために」がじわじわ効いてきている…わざわざそんなこと言うの危ういが過ぎるじゃん…家でもふとしたときに虚ろな目で宙を見つめていたことあるんじゃないですか…?

 

希死念慮と自殺願望は違うし、死にたいと死んでもいいも違うけど、でもどちらにせよそれを考えている人は危ういよね…

「死にづらくするために」って「死なせない」じゃないのがさあ…自分が春彦の未練になる、でありながら、生きろとは言わなかったの、そこは踏み込まないんだ…優しいね…生きろの呪いをかけなかったのはなんでだろうね。尊重?責任取れないではないと思うけど。自分で選んでほしかったのかなあ。

未知さんにお金返しに行ってお喋りして、別れて一人になったときに春彦は「普通」なのか「特別」なのかどっちだったんだろうね。バンドメンバーの前では「普通」だったのかなバレてるし。バイトのときは「特別」だろうね。行ったり来たり疲れて、未知さんに会ったときもちょっと未知さんが席を外して戻ってきたら虚ろな目で宙を見つめていて、それは別に「特別」を演じるためじゃなくてただただ往復でバランス取れてないだけかもしれない。未知さんといるときだけがホッとする時間だったのかな。気を許せる、わかってくれてる人がいる、という安心感みたいなものもあったのだろうな。

わかってほしいとわかり合えないは同居するというか、するからこそしんどくなるけど、未知さんに対してはあんまり思ってなかったのかなあ、「特別」を演じること以外は。

 

春彦は未知さんに救われたと思ってるけど、未知さんも「たくさん騙された」けど春彦となら世界を信じて生きていける、みたいに言っていた辺り、春彦の純心さに救われるところはあったんじゃないかなあ…

 

ハピエンあれだったからまたか、と思ったかも?みたいなことを推しがひそあなで言ってたけど、私はハピエンちゃんとハッピーエンドだったなと思ったんだよな(人の命や希望が繋がっていたので)

happy weddingって結婚おめでとうだから、しているという点ではあってるよね、まあ幸せかと言われると…ではあるけど、タイトルは内容を表すべき、というものでもなし、あの物語に名前をつけるなら端的で的確なタイトルで好き。シンプルに纏めててタイトル考えるの苦手なので羨ましいくらいだなあ。

 

最初からなにもないのも、なにかを失って埋まらなくなるのも、どっちも好きなんだけど、春彦のずっと形のなかった寂しさはこれからは未知さんの形になるんだろうなと思っている…そこにいろんなものがちょっとずつ重なって、明確な形は薄れながら埋まらないまま生きていくんだろうな…春彦…

 

 

最初から神様がいないのと、失うのとどちらがしんどいか、という話を数年前にしてたんですけど、私は救われてほしいと思ってしまうタイプなので、春彦が未知さんに出会って救われたから、あの話は良かったな、になるんだけど、友人はなにもない方が比べるものがなくて楽だろ、って言ってて、今ふと春彦にとってはどっちが良かったのかなあ…となった(この場合の神様は自分だけの神様の話なので所謂宗教ではなくオタク的な意味での宗教の話です。もっと言えば久保田誠人にとっての時任の話ですが割愛)